誰もが驚愕する医学史上の「とてつもない失敗」 「手を洗おう」と呼びかけた医師の哀れな最期
ボタン、ホットドッグ、スーパーマーケット、コンタクトレンズ、数字、タイプライター、歯科ドリル、電気自動車、裁判官、憲法、貨幣、小説、テニス……。私たちは先人たちが生み出した数々のイノベーションによって、日々の生活を営んでいる。では、それらイノベーションは、いつ、誰が、どのようにもたらしたものなのだろうか? 世界を知り、未来を切り拓くためには、文明がどのように発展してきたのかを知ることが不可欠だ。
今回、ネジから女性の権利まで、人類文明における「はじめて」を網羅した、『なんでも「はじめて」大全』のなかから、とくに「医学の歴史」に注目し、先人たちの苦労と偉業を読み解く。
古代エジプト人が試みた恐ろしい眼の手術
現代の私たちは、病気やケガをすれば、レントゲンやCTスキャン、内視鏡などで体内を調べ、適切な治療を受けられる。この医療は、はるか紀元前から積み上げられてきた「トライ&エラー」の土台の上に成り立っているものだ。
『なんでも「はじめて」大全』によれば、医療のはじまりは紀元前4000年頃のインドのアーユルベーダなどにさかのぼるという。
とはいっても、当時はまだ荒削りの薬草学に、魔術と心霊術が混ざったものにすぎず、はじめて文字で記録された医療文書は、紀元前1900年頃の古代シュメールの粘土板と、紀元前1800年頃の古代エジプトのパピルス文書に残されている。
とくに、古代エジプト人の医療活動は革新的で、医師の名前や医療センター、婦人科と助産術、腫瘍、脳、脈拍などについての記述のほか、便秘に効くひまし油や鎮痛効果のある大麻など、科学的に有効な薬に関するはじめての記述がある。
白内障の手術も行っていたというから驚く。角膜から眼球に針を刺して水晶体を倒すという手法で、想像するだけで目を覆いたくはなるが、眼球の仕組みが的確に研究されていたのだ。
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