「腸に無知すぎる日本人」食事術、残念な5大誤解 カロリー制限…「その食事法」本当に大丈夫?
3つめの食事法の落とし穴は「デトックス」です。
体の不調をリセットする食べ物は存在しない
どんな「スーパーフード」も、消化管が詰まって正常に流れていなければ、腸の中で「奇跡」を起こせません。
いくら体にいい物質が含まれていても、唯一の通路(消化管の壁にある「穴」)がふさがれて血中に到達できなければ、どんな効果も発揮されません。
世間では、「浄化」や「断食」「毒素の排出」といった話題でもちきりです。体調不良の原因となる毒素を除去するのは確かに重要なことですが、そんなことのできる食べ物は存在しません。
「体の浄化」は、消化管の詰まりを解消することで促進されます。腸が詰まっていたら、体に必要な栄養素が取り込めないからです。
正しい食事健康法を取り入れて消化管を機能させれば、「奇跡のダイエット法」は必要ありません。腸がベストコンディションで自分の仕事を行えば、それだけで「解毒」になるのです。
食べ物で体の毒素を除去することができないのであれば、食べ物をとらない「断食」はどうでしょうか。「体内浄化」の必要性は欧米ではかなり声高に叫ばれていて、「断食」は「どのダイエットよりも効果がある」という人もいるほどです。
しかし、考えてみてください。いきなり「断食」を始めて、24時間食べ物を口にしなかったとします。そうなると、腸はいまだかつて経験したことのない状況に置かれることになります。
空っぽの時間が長くなり(夕飯から朝食までの時間の2倍以上)、消化管はその間に詰まりの原因である「汚れ」を取り除きはじめます。
「それは、すばらしい!」と思いきや、これらの汚れがあまりに大きすぎるため、出口へ向かう途中でリンパ管に衝突してしまう可能性があります。
すると、この汚れが小石となって肝臓や腎臓から排出され、これが激痛を伴う胆石発作や腎疝(じんせん)痛(尿管結石で尿の流れが妨げられ、腎盂内の圧力が上昇して起こる発作)となってしまう恐れもあるのです。
果物などの体にいいものを食べて、消化管の滑りをよくして日常的に腸の汚れをとっていれば、このような痛みは起きません。
ダイエットを始めるときには、まず「消化管の詰まり具合」をチェックすることから始めてください。個人差はありますが、私の意見では、「消化管が良好な状態」というのは、便がほぼ1日1回出ている状態です。
数日前に食べたものが腸の中でとどまり、発酵や腐敗を繰り返して毒素を生じさせる前に体の外へ排出できていれば、「断食」は必要ないでしょう。
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