東武越生線、単なる「枝線」と呼べない実力路線 箱根駅伝出場校など学生多数、行楽需要も旺盛

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この城西大学以外では、東京国際大学のキャンパスが西大家駅のすぐ近く。その他にも坂戸西高校や武蔵越生高校などいくつもの学校が沿線に連なっている。

「今年は新型コロナの影響で大学がオンライン授業になったりしていますが、普段は朝になると4両編成の電車がパンパンになるくらい学生さんであふれています。城西大学や東京国際大学もそうですが、スポーツに力を入れているところが多いですよね。電車の中からも見える東京国際大学のグラウンド、プロが使うみたいな立派な施設でびっくりしますよ」(栁さん)

城西大学や東京国際大学といえば、年明けの箱根駅伝への出場を決めている。さらに東上線沿線には東洋大学や大東文化大学など、駅伝強豪校が複数あるのがひそかな特徴の1つなのである。また、武蔵越生高校はマラソンの設楽兄弟の出身校であるなど、まさに越生線は“スポーツ学校路線”の様相だ。

昔は“やんちゃ”な学生も

「ただね、最近の学生さんはみんな上品になってきましたよね。昭和から平成になったころは“やんちゃ”な学生さんが多くて大変でした。窓から電車に乗る学生さんもいたし(笑)。だから学校からも坂戸駅に先生が来られまして、乗車指導もしてくれていたんです。まだ“ツッパリ”という言葉があった時代ですね」(栁さん)

川角駅は城西大学の最寄り駅だ(筆者撮影)

と、まるで生き字引きのごとく越生線について語ってくれる栁さん。実は、1998年に東毛呂駅で助役を務めるなど、越生線沿線に縁の多いキャリアを積んできた。越生線の変化を見つめてきた鉄道マン人生でもあるのだ。

一方で武州長瀬駅の駅長を務めている池澤孝信さんは、野田線をはじめとする“本線系統”での勤務経験が長く、「越生線には正直言ってあまり馴染みがなかったんですよ」と苦笑い。

もともと東武鉄道では、本線系統と東上線系統がそれぞれ独立しており、東上線は鉄道事業本部に属する東上業務部が管轄。人事異動などもそれぞれの系統内のみで行われるのが通例だったという。ただ、東上業務部は2015年に廃止され、前後して本線系統と東上線系統をまたぐ人事異動も増えてきた。池澤さんはその先駆けのような存在だったのだとか。

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