知らぬ間に「自粛破り」?都県境をまたぐ路線 都内同士の移動でも隣県に入り込んでしまう…

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鶴川駅付近で都県境を何度もまたぐ小田急線。この列車の先頭付近は東京都だが後部は神奈川県に入っている(編集部撮影)

ゴールデンウィーク直前、東京・大阪・京都・兵庫の各都府県に再び「緊急事態宣言」が出された。

今回の宣言が出る以前から、東京都は「都県境をまたぐ移動は控えて」と呼びかけていた。しかし、厳密にはそれは困難だ。都内の郊外から都心へ向かう移動でも、乗っているだけで都県境をまたぎ、何度も都内と隣県を出入りする鉄道路線がある。政治や行政の言うことをまじめに聞くと、日常生活が困難になるというのは冗談のようだが、本当である。

では、都心と都下の移動で何度も都県境をまたぐのはどんな路線か。

多摩地区の路線は複雑だ

都心から神奈川県を目指す路線で、いったんは神奈川県に出た後、東京都に「出戻り」する路線はいくつもある。

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1990年に全線開通した京王相模原線は、その典型例のような路線である。調布駅で京王線と分岐し、京王多摩川駅を出て多摩川を渡ると神奈川県に入る。隣の京王稲田堤駅は神奈川県川崎市多摩区。だが、次の京王よみうりランド駅と稲城駅は東京都稲城市だ。ちなみに遊園地「よみうりランド」は東京都と神奈川県にまたがっている。

ややこしいのは稲城の次、若葉台駅だ。この駅は神奈川県川崎市麻生区にある。が、駅北口は目の前に都県境が通り、バスロータリーなどがある駅前広場は東京都稲城市に位置する。駅を降りて広場に出るだけで都県境をまたいでしまうのだ。駅近くにある京王電鉄の若葉台検車区や若葉台工場も都県境をまたいでいる。

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