80年代の名車シティを生んだホンダの「非常識」 本田宗一郎「若気の至りが個性の芽を育てる」

拡大
縮小
中古車の流通台数はかなり少ないが、あれば100万円前後、カブリオレやターボIIは250万円前後の個体が確認できた。※編集部調べ(写真:OCEANS編集部)

1981年に登場したホンダ「シティ」。

“トールボーイ”という愛称で呼ばれ、当時のライバルであるトヨタ「スターレット(2代目)」や日産「マーチ(初代)」より300mm以上短い3380mmの全長ながら、全高は900mm以上も高い1470mmに設定されていた。

短いけど高さがある、当時では個性的なフォルムだったのだ。

若者からおじさんたちにまでウケた「シティ」の魅力

今では軽自動車のスズキ「ワゴンR」やダイハツ「ムーヴ」でおなじみの、短くて少し背の高いフォルム。

当記事は、『OCEANS』の提供記事です。元記事はこちら

実際スリーサイズは現行型の「ワゴンR」とほぼ同じだ。

1993年に登場した初代「ワゴンR」は軽自動車の新たなカテゴリーを開いた名車だが、その10年以上も前に、すでに「シティ」がそのスタイルを提唱していた。

しかも660ccではなく、1231ccを積んでいるのだから、走りは軽快。翌1982年にはターボを搭載した「シティターボ」も登場した。

軽自動車よりも少し大きくて、免許を取ったばかりの人々が買う“初めての車”というカテゴリーでは、異彩を放った「シティ」のフォルム。

フタを開けてみれば若者だけでなく、車好きのおじさんたちにも大いにウケた。

特徴的なシートのヘッドレスト(写真:OCEANS編集部)

ウケた理由はもちろん外観だけでない。例えばシートのヘッドレストと背もたれ部分は2本の柱でつながり、間が大きく開いている。

また背の高さを活かして、座面がほかのコンパクトカーより高いため、上から見下ろすような視界で運転できる。エアコンの冷風を使ったクーラーボックスまで備えていた。

総じて“新しい車”感がするのだ。

次ページ「シティ」と一緒に開発された原チャリ
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT