ガラスが5500年前に作られたという意外な真実 「あれ」をいつ、誰が、どこで発明したのか?

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ガラスがはじめて作られたのは今からおよそ5500年前のレバントで、紀元100年になるとローマ人がアレクサンドリアで作られたガラスを窓ガラスとして用いており、粗削りで透明度が低いとはいえ、半透明の石を薄く削った板や平らにした動物の角よりずっとましだった。そのような石や角で作られた板は、それからまだ何世紀も使われ続けていく。

ステンドグラスの誕生は古代エジプトおよびローマにさかのぼるが、窓に大規模に使われるようになったのは紀元後で、北ヨーロッパの修道院の建物に用いられたものが驚くほど美しい効果をあげたのがはじまりだ。

板ガラスの登場までには、さらに1000年もの月日がかかり、ジェームズ1世がイングランド王だった時代(1603─25年)のロンドン(英国)で製造がはじまった。

そして1688年にルイ・ルカス・ド・ヌーとアブラハム・テイバーが、磨き板ガラスの製造技術を完成させるという画期的な仕事を成し遂げたあと、ますます広範囲に利用されるようになっていった(フランス国王ルイ14世のベルサイユ宮殿は、その格好の例とされる)。

お金や銀行、保険の「はじめて」

紙の貨幣という考えは、商品が倉庫に残っていることを確認する覚え書き(ノート。多くの場合は粘土板に書いたもの)から(紀元前3000年頃以降、さまざまな古代文明で)はじまった。そしてそのような覚え書き自体に、価値が生まれるようになった。

紙幣は7世紀の中国に起源をもち、11世紀まで中国では実際の紙の貨幣が用いられていた。

初期の通商に伴って原始的な銀行業務が生まれており、はじめての銀行家はバビロニアのエギビ家(紀元前1000年頃、イラク)の一員だったと考えている研究者もいる。具体的な銀行業務に関する記述が登場するのは、紀元前400年頃の古代ギリシャだ。

わかっている最古の外国為替契約(1156年)はジェノバで結ばれ、その翌年にはベニスではじめての国が支援する銀行が誕生している(いずれもイタリア)。

イングランド銀行(1694年)ははじめて恒久的な銀行券を発行し、持参した人に一定の金額を支払うことを約束した。

銀行券はまもなく(手書きから)印刷されたものになり、スコットランド王立銀行は1728年にいち早く当座貸越を導入している。

署名入りの覚え書きを持参した人に金銭を支払う業務(16世紀、オランダ)が、17世紀のイングランドで小切手へと発展し、イングランド銀行ははじめての印刷小切手を発行した。

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