ガラスが5500年前に作られたという意外な真実 「あれ」をいつ、誰が、どこで発明したのか?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

1969年にはいくつかの国で小切手保証カードが発行されている。はじめてのトラベラーズチェックは1772年にロンドンで発行され、その3年後には英国の居酒屋の主人が自分の店で、はじめての住宅金融組合を設立した。

検証可能な最も古い保険はハンムラビ法典だ。はじめての保険契約は14世紀のジェノバで記載され、一般向けに開業した世界ではじめての保険会社は「ハンブルク火災保険会社」だった(1676年、ドイツ)。

古代ローマには葬儀組合があったが、はじめての生命保険証書は1706年にロンドンで発行されている。

最初に絵を描いたのは誰か?

絵画の夜明けにはぼんやりと霧がかかり、異論の多い分野だ。はじめて見えたかすかな光は、南アフリカの石のかけらに引かれた赤い線かもしれない。

おそらく7万3000年前のものだ。あるいはインドネシアのボルネオ島にあるルバン・ジェリジ・サレ洞窟の壁に描かれた雄ウシの絵はどうだろう(紀元前3万7900年頃)。ここには、わかっているはじめての手のステンシルもある。

フランスのラスコーの洞窟には、紀元前1万5000年頃の人間の姿がはっきりと描かれている。それでも、ブラジルのセラ・ダ・カピバラ国立公園の洞窟とスペインのアルタミラ洞窟にある絵は、もっと古い可能性がある。

古代ギリシャ人は写実的な肖像画を描いた最古の画家で、だまし絵(トロンプ・ルイユ)を考え出したとも言われている(どちらも紀元前750年頃)。はじめての絵具は黄土をベースにして油脂か卵黄か水を混ぜたもので、ほかの色を出すには異なる鉱物を用いていた。

最古のテンペラ画はエジプトで見つかっており、初期のフレスコ画がギリシャで描かれていたのとほぼ同時期だった(紀元前1600年頃)。

具体的な芸術形式としての水彩画は15世紀のヨーロッパではじまり、クルミ油とケシ油を用いる油絵はアフガニスタンで生まれた(650年頃)。

アクリル絵の具は1940年代にドイツで用いられ、まちがいなくジョン・ランドによって1841年に考案された押し出しチューブ入りだった(アメリカ)。中国の将軍、蒙恬(もうてん)は、はじめて筆を作ったとする逸話の持ち主だ(紀元前300年頃)。

芸術運動に明確なはじまりなど(終わりも)ないから、14世紀半ばにルネサンス絵画が生まれ、19世紀半ばに印象派の芸術が誕生したことくらいしかはっきり言えることはない。

キュービスムは20世紀の最初の10年に台頭し、西洋画の抽象芸術は(8世紀の中国の画家、王墨[おうぼく]が創始した、墨をはね散らす溌墨の手法よりずいぶん遅れた登場ではあったが)1910年代に登場した。シュールレアリズムが姿をあらわしたのはそのあとの1920年代になる。

次ページはじめて100万ポンドを超えた絵画
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事