記憶力が「人間力にもつながる」その驚きの理由 知られざる「非認知能力」の重要性

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子どもは時に驚異的な記憶力を発揮することがあります。これはやる気スイッチが脳の中にあることと関係しているようです(つむぎ/PIXTA) 
人生100年時代を迎え、価値観の多様化も進み、社会の構造がますます複雑化していくことが予想されます。これからの子どもたちがそんな世の中に対応していくためには、「考える力」がますます必要になってくるでしょう。
実は、その力を伸ばすカギは「記憶力」にあります。子どもの頭をよくし、その子の人間力や、非認知能力、EQ(心の知能指数)までをも高めるための近道が記憶力を鍛えることなのです。
ロンドンで開催された世界記憶力選手権での経験を基に「記憶」の根本からひもとく脳育の入門書『子供の成功は記憶力で決まる 学力、思考力、心を育む子育て』から一部を抜粋・再構成して紹介します。

非認知能力も脳の機能である

近頃、「非認知能力」にますます注目が集まってきています。非認知能力とはいわゆる「心」に関係する能力で、自分の意志や感情をコントロールする能力を言います。自分自身でやる気を起こしたり、逆境に置かれたとしてもしぶとく頑張れたり、また衝動を抑えて欲求を我慢できたりする能力のことを指します。

社会構造や人間関係がより複雑になってきた現代。これから大人になる子どもたちにはより求められる能力なのかもしれません。このたびの新型コロナによる影響で子どもたちの教育の形も変わっていくことでしょう。対面や集合の形式に加えて、オンライン形式のものが、ますます増えていくのは間違いありません。

リアルで受ける授業とはまた違った集中力が必要となったり、今よりも独学を求められる割合が増えてきたりと、自分の意志をコントロールする力もこれまで以上に要求されると思います。つまり、勉強の仕方も変化していくということです。

以前は子どもの学力や将来性につながる指標としていわゆるIQ(知能指数)を尊重する考えに偏重していた感がありますが、さまざまな研究が進んできた現代では、実はIQよりも非認知能力を数値化したもので、心の知能指数と呼ばれるEQのほうにより強い相関があることがわかってきました。

つまり、社会に出て活躍しているのは皆IQの高い人かというと、必ずしもそうではなく、たとえIQが平均レベルだったとしても人生の成功はEQ能力のほうが影響力は強いということなのです。そして実のところ具体的な学校の成績だけをとってみても、IQにこのEQの高さが加わらないと結果は出ない、という事実もあるので驚きです。

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