記憶力選手権で優勝した人が語る「記憶」の本質 脳力のすべての土台は「記憶力」にある?
知識ゼロでは「思考力」は育たない
皆さんは「頭がいい人」と言われてどんなタイプの人物を想像しますか。
なんでもものごとを知っている博識な人でしょうか?
それともアイデアが豊富な人?
学校の成績が良い人?
話が上手な人?
論理的思考に長けている人?
おそらく、それぞれにいろいろな頭の良さという定義のイメージをお持ちだと思います。そして皆さんが想像した能力は確かに「頭がいい」ということになるのでしょう。ひとくちに「頭がいい」と言ってもさまざまな角度からの視点があるので、これこそが頭の良さだというふうにひとつに絞ることは難しいでしょう。
しかし、一見別々に思えるこれらの能力にも共通している点があります。それはどの能力もすべて脳で行われているということです。そして頭を使うという点に注目すれば、それは「認知能力」という機能でくくることができます。この認知能力を土台として支えている力が「記憶力」なのです。
物知りや学校の成績といわれればなんとなくわからなくもないけれど、アイデアを生み出すことや論理的に考えることに記憶力がどう関わってくるのか? は、なかなかイメージしづらいところではないでしょうか。ですが、実はこれらの能力も、それらを土台で支えている記憶力がなければ成り立ちません。
記憶力というとどうしても丸暗記を連想してしまう方も多いことでしょう。人間の記憶力というものが覚えた形のままでしか取り出すことができないとすれば、確かにその能力には、ほとんど価値がないというのには私も賛成します。これからますます進化していくAIなどにその座を譲ればいいだけの話です。
しかし、人間の記憶力は単なるインプットにとどまることなく、他の認知能力にもことごとく動力を与える、エンジンのような役割を持っているのです。
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