日本企業を「汚物扱い」した米国ファンドの正体

挑発したり貶めたりして獲物に食らいつく

ここ2年間ほどの、シトロンの主なカラ売り案件と結果は次の通りである。

昨年1月、動画配信・DVDレンタル会社、ネットフリックス(カリフォルニア州)について「ネットフリックスの投資家はバード・ボックス(鳥の巣箱)のように盲目だ」として、売り推奨した(『バード・ボックス』は同社が配信したサンドラ・ブルック主演映画)。

当時のネットフリックスの株価は約337ドルだったが、いったん260ドル近くまで下がった。その後、シトロンは株価が290ドル前後まで戻った11月に、ネットフリックスの海外ビジネスに期待が持てるとして、買い推奨に転換。現在の株価は482ドルまで上昇した。カラ売り、買い推奨ともに成功していると思われる。

同じく昨年1月には、バイオ医薬品会社、リガンド・ファーマシューティカルズ(サンディエゴ)の「最も汚い秘密のいくつかを暴露する」と宣言。同社が薬品を共同開発しているとする複数の会社は実質的に存在していないなどと指摘し、売り推奨した。当時のリガンド社の株価は130ドル台だったが、現在は約82ドルとなり、カラ売りは成功した。

失敗している案件も少なくない

昨年12月、エアロバイクやトレッドミルなどを製造している新興企業ペロトン社(ニューヨーク市)を「業界の競争は厳しく、株価は86%下がる。商品が売れた過去の栄光の日々はバックミラーの風景だ」と売り推奨。しかし、同社の株価は当時の約35ドルから現在は101ドルにまで上昇した。カラ売りは今のところ失敗である。

今年1月、大学経営や教育サービスを提供するグランド・キャニオン・エデュケーション(アリゾナ州フェニックス)を「同社のグループであるグランド・キャニオン大学に経費や債務を押し付け、利益を引き出す粉飾を行っている“教育業界のエンロン”」であるとして売り推奨。同社の株価は当時の約84ドルから2か月弱で約59ドルまで下がった。

その後、約102ドルまで上昇し、現在は85ドル。下がった時点で買い戻していればカラ売りは成功だが、そうでなければ成功とも失敗ともつかない。

今年2月、シトロンは4年前からカラ売りしていた、家具・家庭用品のオンライン販売業、ウェイフェアー社(ボストン市)のポジションを手仕舞った。手仕舞った時点での株価は約63ドル。カラ売りを始めた4年前の株価は45ドル程度だったので、この部分では損を出しているはずだ。

しかし、その2年後に同社の株価は100ドル程度まで上昇し、それが今年1月末頃まで続いていたので、継続的にカラ売りをしていれば、利益は出ている可能性がある。

今年4月、シトロンは、中国のオンライン教育プラットフォームでニューヨーク証券取引所に上場している跟誰学(GSX Techedu、北京)を「売上げを7割水増ししており、2011年以降で最も明らかな中国株詐欺」であるとして売り推奨した。

これには別の著名カラ売りファンド、マディ・ウォーターズ(カリフォルニア州)も賛同したが、当時約31ドルだった株価は、現在は71ドルまで上昇した。カラ売りは今のところ失敗である。

以上のとおり、当たったり外れたりといった実績だ。

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