「大麻合法」の州がアメリカで続出している事情 ついにニュージャージー州が住民投票で合法化

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(写真:ロイター)

11月3日、アメリカ、ニュージャージー州で大統領選挙と同時に住民投票が実施され、同州では嗜好品としての大麻の使用が合法化されることになった。これまで同州議会では何度も法案が否決されてきた。今年は合法化支持者たちが、マイノリティが大麻の所有により白人よりも多く逮捕されているとして声を上げていた。

合法化決定により、ニュージャージー州ではその後のプロセスが始まるが、それは長く困難なものになるかもしれない。そこでは、大麻に関する統制や検査、免許の発行などに関するルールを制定し、免許に関しては、誰に何枚発行するかなどを決めることになる。

他州にも広がる合法化の波

また、近隣のニューヨーク州やペンシルベニア州は、ニュージャージー州での合法化によってさらに追い込まれることになる。ニュージャージー州は全米で最大級の大麻市場になると予想されており、ニューヨーク州などで合法化に賛成する議員たちは、すぐに行動を起こさなければニュージャージーに負けてしまうというプレッシャーを受ける。

ニューヨーク州議会上院議員で、同州の大麻合法化法案の1つを起草したリズ・クルーガーは、州知事のアンドリュー・クオモと州議会議員にとって、ニュージャージーの住民投票が何年もの行き詰まりを打開するきっかけになるかもしれないと話す。

「私はニュージャージーに声援を送る」と、クルーガーは言う。「だが、ニューヨーク州も負けてはいられない」。彼女はマンハッタンを地盤とする民主党員だ。

アリゾナ州とモンタナ州でも、嗜好品としての大麻使用合法化を問う住民投票が行われ、サウスダコタ州でも同様の住民投票が実施された。これらの州でも合法化が認められれば、大麻を医療的な理由なしに使える州や都市に住む人の数が、全米の人口の3分の1に達する(編注:住民投票の結果、これら3州でも大麻使用が合法化された)。アメリカでは、8年前にコロラド州とワシントン州で初めて大麻の使用が合法化され、それ以降、ほかの州でも合法化が進んだ。

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