「大麻合法」の州がアメリカで続出している事情 ついにニュージャージー州が住民投票で合法化

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ニュージャージー州の有権者の承認により、大麻の購入には6.625%の州税が課され、州内の自治体はさらに2%の税金を上乗せできることになった。購入できるのは21歳以上だ。しかし、これ以外の実施に関する詳細は、議会と大麻規制委員会でこれから決めていかなければならない。大麻規制委員会のメンバーは5人だが、まだ1人しか任命されていない。

マサチューセッツ州では、有権者が大麻の医療用以外の使用を承認してから、最初の合法的な販売薬局ができるまでに2年がかかった。

新型コロナによる財政難が背中を押す

ニュージャージー州では、税収増と新規雇用の増加が期待されていることから、もっと動きが早まる可能性もある。同州では、9カ月に及ぶパンデミックで予算不足となっており、それを埋めるのに苦労している。大麻市場が確立されれば、年間に約1億2600万ドルの創出が期待できる。

州議会上院議員で、元地方検事でもあるニコラス・スクタリは、長年、医療用と嗜好用の両方での大麻使用合法化を推進してきた。スクタリは、州内に9つある医療用大麻会社が、あまった大麻を嗜好品として販売できるよう、法案に最後の調整を加えているところだと言う。

「医療用の大麻販売店が、ただちに一般の人たちに大麻を販売できるようにする法律を実現するため、すばやく動こうと考えている」とスクタリは言う。彼はユニオン郡を地盤とする民主党議員だ。「ニューヨーク州の人たちにも、ぜひ買いに来てもらいたい」。

合法化を支持する人たちは、大麻に関する法律を修正する重要な理由の1つとして、人種間での逮捕率が大きく異なることを挙げる。ニュージャージー州では、黒人と白人の間で大麻の使用率はほぼ変わらないのに、大麻所持で告発される確率は、黒人が白人の3倍以上にもなっている。

嗜好品としての大麻使用は、今回合法化された以外の州では、すでに11の州と首都ワシントンで合法化されている。昨年には、ニュージャージー州、ニューヨーク州、ペンシルベニア州、コネチカット州の知事がニューヨークで会合を開き、大麻政策の調整を試みた。なお、4人とも民主党員で、大麻の合法化を支持している。

次ページニューヨーク州にも変化の兆し
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事