猟友会が「害獣駆除の決定打にならない」理由

時には罠にかかっている動物を逃がすことも

まず猟友会の説明を行っておこう。肝心なのは、猟友会は獣害対策を担う組織として存在するのではなく、基本は「狩猟愛好者の団体」であるということである。

まず市町村レベルの地域の猟友会があり、それをまとめた都道府県猟友会、そして全国組織の一般社団法人大日本猟友会が存在する。狩猟の適正化や野生鳥獣の保護、会員向けの共済事業などを目的として掲げている。地域の猟友会もたいてい任意団体だ。

狩猟愛好者と記したとおり、本来は狩猟を趣味とする人々の集まりにすぎない。ハンターの加入は任意であり、専門的な教育や訓練を受けて加入するわけではない。銃や罠の免許を持っていたとしても、野生動物の生態や有害駆除に必要な知識を学ぶ場があるわけでもない。そうした技術や知識は、猟友会の先輩たちから教えてもらうのである。ある意味、徒弟制度である。

クマを退治したのに「免許剥奪」されることも

現在猟友会が期待されているのは、「有害鳥獣駆除の担い手」としての側面だろう。ここで狩猟と有害駆除の違いについて認識しておかねばならない。狩猟は、趣味である。たとえば、複数のハンターが獲物を山中で追いかけて仕留める巻狩(まきがり)では、一日中山を駆けずり回って仕留められるのは1〜2頭だろう。これは野生動物と向き合い、対決することを楽しむ面が強い。そして仕留めた獲物の肉などを採取して、今風に言えばジビエとして食すことを楽しみとする。獲物の解体などの技術も、先輩から習う。

しかし有害鳥獣の駆除は、もっと効率よく獲物を仕留めなければならない。加えて、一般の人には罠にかかった獲物の息の根を止められないため、処理を頼まれることも多い。箱罠などにかかったイノシシやシカ、ときにクマを仕留めるのはあまり気持ちのよくない作業だろう。逃げられない獣を至近距離で撃ったり、ときに槍で突いたり棒で殴ったりするのだから。動物と対等に向き合うのではなく、命あるものを殺す辛さがある。

しかも、地域のためと思って要請に従って行う作業なのに、世間の白い目が向けられがちだ。また、市街地に出没したクマを人家近くで撃ったために、狩猟免許を剥奪された“事件”があった。請われて出動し、人々を危険から救うために駆除したのに、こんな目にあったのでは猟友会の人もたまらないだろう。

加えて、銃の所持や資格維持の手続き、猟犬の飼育など、経費も手間も馬鹿にならない。猟友会とは、それらを負担しても狩猟をやりたい人が参加するものなのだ。

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