GAFAの部長が20代で教わった上司の超「金言」 17年間日系企業で働いた僕が学んできたこと

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Nさん「でしょ? 人のスキルが伸びるっていうのは、『経験を積むことによって、何かができるようになる』っていうこと。だから、基本的には、経験を積めば積むだけスキルって右肩上がりになるはずなんだよね。ってことは、本来はほめようと思って人のことを見れば、伸びているところばかりのはずだから、ほめるのは簡単なはずなんだよ」

「80%できた」視点を持つ

Nさん「ところが実際には会社で後輩に教えていたり、家で子どもと接していたりすると、ついつい怒ってしまってばかりという人が多い。これは何でだと思う?」

僕「それ、難しい質問ですね。できていないところに目が行っちゃうからですか?」

Nさん「うん、そうだね。もっと言うと、多くの人が『できたか、できなかったか』、すなわち『○か、×か』の2択の考え方をしてしまうことが原因なんだよ」

僕「僕もやってしまいそうです」

Nさん「まあ、仕方ないよ。これはある程度、人と向き合った経験がないと難しいからね。例えば、上司が『これ、今日中にやっといてね』って頼んだことができていなかった場合、『やっとけって言っただろ!』って怒っちゃうのはよくある話だよね」

僕「ありそうですね。でも、それは怒られるのもわかる気がします」

Nさん「うん、100%できていなければ大変なことになるケースならそうかもしれない。でも、そうじゃないケースでも往々にして怒られるんだよ。

この後者のケースで上司がどうして怒っちゃうのかというと、『できていたら○、できていなかったら×』っていう判断基準を持ってしまっているからなんだよ。じゃあ逆に『できてたら○、できてなかったら×』じゃない考え方ってどんな考え方だと思う?」

僕「うーん、△をつけるしかないですね」

Nさん「そう、△が大事なんだよ! 人を見るときには、『100%には到達しなかったけど、80%くらいできてるよね』っていう視点を持ってあげないといけない。

『40歳でGAFAの部長に転職した僕が20代で学んだ思考法』(KADOKAWA)。書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら

この発展途上の状態を意識的に、積極的に認めようとしてあげないと、人はどうしても『できたか、できなかったか』だけで判断をしてしまうんだよ。それって0%でも99%でも怒られるわけで、怒られる側にとってはすごく不幸なことだよね。

逆に怒る側にとっても、100%しか認めないというのでは、まわりに対して怒ってばかりになってしまうし、同時にまわりに対して不信感が募ってしまう。それが周囲にも伝わって、最終的に自分の信頼を下げてしまうことになってしまうんだよ。

さっきも言ったけど、きちんと相手の仕事の結果を見て、『〇か、×か』の2択ではなく、『どこができていないのか』を理解し、その結果が『どうして起こったのか』を一緒に考えてあげる。そのうえで、怒るのではなく、いいところをちゃんとほめてあげることが大事なんだよね。

そういったコミュニケーションの積み重ねが、人を伸ばすっていうことにつながるんだよ。完璧を求めて怒りまくっても、決して人は成長なんかしないからね」

僕「ふ、懐が深すぎです……」

寺澤 伸洋 外資系企業社員、作家 

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てらさわ のぶひろ / Nobuhiro Terasawa

1976年大阪府生まれ。灘高校、東京大学経済学部を卒業後、日系メーカーで17年間勤務。経理、営業、業務改革、Web企画、マーケティング、経営企画と多様な部門を経験し、半年間のイギリス留学後に現職に転職。2016年から3年半書きためたブログを元に、2020年より電子書籍の執筆を開始。初の本格的著作『40歳でGAFAの部長に転職した僕が20代で学んだ仕事に対する考え方』(Amazon、Kindle版)の累計ダウンロード数が2カ月で個人電子書籍では異例の1万冊を超える(本書はこれに2倍以上加筆した完全版である)。最新刊に『40歳でGAFAの部長に転職した僕が1カ月でやりきった戦略的面接対策』(Amazon、Kindle版)がある。

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