フランス、ドイツにおけるインターネット選挙運動の歴史--解禁へ向け動き出したインターネット選挙運動[5]
日本でも政治家のツイッター利用が話題となっているが、今回は、フランスとドイツのインターネット選挙運動の歴史を俯瞰し、併せて諸外国の動向についてまとめてみたい。オバマの事例を始めとするアメリカのネット選挙は日本でも幅広く採り上げられているが、フランス、ドイツとなるとほとんど知られていない。
オバマになりきれなかったフランスの大統領候補・ロワイヤル、笛吹けど踊らなかったドイツのWeb2.0選挙……実はかなり興味深い事例満載なのだ。日本への示唆を学んでいこう。
サルコジvs.ロワイヤルのフランス
フランスは2002年、07年の大統領選がネット選挙の主要戦場となった。
02年の大統領選では、もっぱらホームページによる選挙運動が中心であった。開設主体は候補者、政党、利益集団、マスメディアなど考えられるほぼすべての関係者にわたるが、これらが選挙結果に大きな影響を及ぼしたとは評されていない。
ただし、女性候補が自身の容姿を武器にアクセス数を伸ばすといったフランスならではの特異な使用法はあった。このことは、インターネットの政治利用において、将来的可能性を秘めていると評価された。07年のロワイヤルの躍進を暗示しているようだ。