心臓病死のリスク、「月曜午前」が最も高いワケ 健康診断で発見が難しい「職場高血圧」に注意

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血圧を下げるには運動が欠かせません。けれども、こと減量に関しては、運動だけで達成するのは不可能といってよいでしょう。運動によるカロリー消費は想像するより少ないからです。

たとえば体重70kgの男性が運動で150kcal消費しようとすると、ジョギングなら約12分、自転車なら30分、ウォーキングなら45分かかります。これを毎日続けるのは、ちょっと大変です。

しかも、さわやかな汗を流して帰宅して、プリンを1個食べるか、ペットボトルのアイスティーを1本飲んだら、せっかくの150kcalが一瞬で帳消しです。これは厳しいですね。運動はするにしても、減量の基本はやはり摂取カロリーを減らすことです。

無駄なカロリーを見つけ出す

まずは、これまで無駄に摂取していた150kcalを見つけてください。体重が気になっていながら落とせなかったのは、必ず何かを余分に食べているからです。「そんなに食べてないんだけど」と言う人がよくいますが、体重計の数字を見れば、どこかに盲点があるのは明らかです。

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探す手がかりは、お菓子、果物、アイスクリーム、乳製品、カロリーのあるペットボトル飲料、揚げ物、おかずの品数、飲酒などです。

「おかずの品数」は少し意外かもしれませんが、あれもこれもと添えればカロリーオーバーします。「健康によい」といわれる食品も毎日食べなくてもよいでしょう。そのせいで肥満したらむしろ逆効果です。

ここにあげた食習慣をすべてやめる必要はないので、ひとつだけルールを決めて実行してください。ペットボトルはカロリーのないお茶に変える、おかずは一汁二菜にする、平日は晩酌しない、お菓子、果物は3日に一度にする、という具合です。この程度でも150kcalなら楽に減らせます。

ここでおすすめなのが、食事の内容をカレンダーか手帳に書いておくことです。人間は目の前のことに集中するようにできているため、おとといの食事内容となると忘却のかなたです。「親子丼、味噌汁、漬け物」程度でよいでしょう。たくあんだったか、柴漬けだったかまでは書かなくてかまいません。

あとになってメモを見返すたびに発見がありますし、着実に痩せていく自分の減量記録を見るのは楽しいものです。

奥田 昌子 内科医

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おくだ まさこ / Masako Okuda

愛知県出身。京都大学大学院医学研究科修了。博士課程にて基礎研究に従事。生命とは何か、健康とは何かを考えるなかで予防医学の理念にひかれ、健診ならびに人間ドック実施機関で30万人以上の診察にあたる。現在は産業医を兼務し、ストレス対応を含む総合診療を続けている。著書に『欧米人とはこんなに違った 日本人の「体質」』『日本人の「遺伝子」からみた病気になりにくい体質のつくりかた』(講談社ブルーバックス)、『内臓脂肪を最速で落とす』(幻冬舎新書)、『日本人の病気と食の歴史』(ベスト新書)、『なぜ、健康法は「効かない」のか?』(だいわ文庫)などがある。

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