心臓病死のリスク、「月曜午前」が最も高いワケ 健康診断で発見が難しい「職場高血圧」に注意
そして、昨今増えているのが睡眠時無呼吸症候群です。無呼吸といっても呼吸が完全に止まるわけではなく、眠っているあいだに10秒以上止まると「無呼吸」と判定されます。呼吸が一晩に何十回も停止して、それが何年も続くとなれば、体にとって重大なストレスです。
慢性的な睡眠不足に陥るだけでなく、血管の壁をしっかり修復することもできません。呼吸を再開させるときに心臓が強く働くことも明らかになっています。
これにより、睡眠時無呼吸症候群の人は約半数が高血圧で、心臓のリズムが乱れる不整脈の危険は一般の人の2倍、脳血管障害は4倍も高くなります。深夜から明け方までのあいだに心臓に異常をきたして突然死する人の割合も約2.6倍高いのです。
肥満しているせいで息の通り道が狭くなって発症する例が多いものの、日本人を含む東アジア人はもともと喉の作りが小さいために、肥満でなくても睡眠時無呼吸症候群になることがあります。
狭くなった喉を空気が無理に通ると「いびき」が発生するため、いびきをかいているとか、呼吸が止まっていると家族に指摘されたら要注意です。
また、こういう状態は口呼吸になりやすく、一人暮らしの人は、朝起きたときに口や喉が乾燥しているのを手がかりにして睡眠時無呼吸症候群が見つかることもあります。
血圧の薬を飲んでいて、生活習慣も改善したのに効果が不十分という場合に睡眠時無呼吸症候群が隠れていることも珍しくありません。これらの症状が気になる人は、耳鼻科、呼吸器科、専門の睡眠時無呼吸クリニックなどで一度調べてもらいましょう。
休日の朝寝坊は1時間半までに
ストレスはあの手この手で血圧を上げます。血圧が通常は午前中に最も高くなるのは、交感神経が活動を開始する時間だからです。ストレスが続くと交感神経ばかりが活発に働いて、血圧が下がらなくなってしまいます。
一方の副交感神経はリラックスのための神経です。おもに夜になると働いて、心臓の収縮をやわらげ、血圧を下げます。血圧を安定させるには、性質のことなる2つの神経が一日を通じてバランスよく働くようにすることが大切なのです。
といっても、難しいことではありません。体は便利にできていて、規則正しい生活を送っていれば、いつもの時間になると2つの神経が自動的に切り替わり、交感神経の暴走を抑えられるようになります。
基本は、平日と休日の起床時間が大きくズレないようにすることです。平日は朝6時に起きるのなら、休日も7時半ごろには床を離れましょう。
朝も入浴するかシャワーを浴びると、皮膚に当たる湯の刺激で副交感神経から交感神経に穏やかにバトンが渡ります。日中はできるだけ体を動かして、起きているときと寝ているときの活動にメリハリをつけましょう。
昼寝は30分にとどめ、15時までに起きるようにすれば、夜の睡眠に影響を与えにくいようです。
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