したがって、回答者がよくわかっていないのだから、回答があまり役に立たないのは当然で、結果がサプライズだろうが、調査予測としてはサプライズではない。予測しようがなかったからだ。
それに対し、アメリカ大統領選挙は長年の伝統と蓄積がある。データとして積み重ねがあるということは、データとして絶対的に重要だ。そして、答えるほうも、大統領選挙のベテランが多い。何度も投票に行っているから、答えは決まっているし、アメリカのほとんどは事前に民主党か共和党か決まっているから、事前調査はかなり正確だ。気分で投票先が変わることは、ほぼない。
サプライズはなくても、予測できないことが1つある
しかし、これが前回の落とし穴だった。
トランプ氏の支持者は、これまで選挙に行ったことがないような人々も投票した。さらに、共和党、民主党という枠組みを超えた、アンチエリート、アンチワシントン、アンチヒラリーの票が多すぎて、事前の予想がこれまでの大統領選挙の予測と異なり、構造変化が起きていたことを捉えられなかったのだ。
今回は違う。トランプ氏の2回目の大統領選挙だ。しかも、前回のサプライズで懲りているから、調査会社も有権者もかなり慎重になっているし、分析も慎重だ。「慎重に見積もって、バイデン」なのだから、今度はサプライズはないはずだ。
バイデン当選は確実だが、予測できないことが1つある。
新型コロナの影響だろうって? まさか。
そんな些細なことではない。それはトランプ氏が敗戦を認めずにどう行動するかだ。
本連載ではかんべえ氏が「米大統領選、開票日に絶対見るべき1州はどこか」でかなり詳しく、調査・分析しているから、この連載の読者にとっては、サプライズではないだろう。だが、世の中にとってはサプライズだし、それを利用して投資家たちは自分たちの都合がよいように、混乱に解釈をつけ、乱高下で儲けようとするだろう。
怖いのはコロナなどではなく、トランプ氏のわがままぶりと、投資家たちの強欲さだけだ(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者による週末の競馬予想や競馬論のコーナーです。あらかじめご了承ください)。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら