「世界最低水準」続ける起業小国・日本のリアル 全米No.1ビジネススクールで教える起業三原則

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カジノへ行くことのリスクを、例えば「500ドル以上使ってしまう」「やめられなく、一晩中入り浸って依存してしまう」などと定義づけてみる。そして、そのリスクを支配するとは、カジノへは500ドルの現金のみを持参し、ここまでなら負けてもOKとすることだ。あるいは時間制限をかけて、3時間は自由に遊ぶが、それが過ぎたらすっぱりやめる、といったようにするのだ。そうしてリスクを管理することで、より安心して、ギャンブルを楽しめるようになる。

決められた金額、あるいは決められた時間を使い切ったタイミングで振り返る。もう一度、ここに来たいか、もっと楽しむにはどうすればよかったか、何がうまくいかなかったのかを振り返り、そこから学び、次に生かすのだ。

起業においても同様。とれないリスクはとらない。むしろとれるリスクを見極め、行動し、失敗から学ぶ。その繰り返しでリスクを掌握したうえで、前に進むのだ。そうして取りうる小さな失敗を積み重ねて大きな成功に結び付けていくことが大切だ。

決して「失敗=悪(避けるもの)」ではない。

かくいうバブソン大学でも、失敗を必然として歓迎し、そこからなにをどう実践的に学ぶかを重要視している。筆者も「Failure is Good(失敗はすばらしいもの)」 として、学生が「失敗から、何を、どれだけ学んだか」を重視して評価を与えるようにしている。すると学生たちは、失敗に遭遇してもそれをチャンスとして受け入れ、学び、さらに進んだ挑戦を繰り返せるようになる。そうした学生たちが卒業したのち、あらゆる業界のゲームチェンジャーとして、世界をよりよく変える活躍をしていることはもはや言うまでもない。

起業三原則を実践し世界を変える

起業というのはスナップショットではない。つねに変化するものだ。つねに挑戦し続けることが必要で、挑戦には失敗がつきもの。失敗を恐れていては何もできない。「究極の失敗は、失敗を恐れて行動しないこと」ともいえる。

成功を保証する起業のバイブルなどないが、行動から得た知見をもって、何度も何度も修正を繰り返していくしか大きな成功に近づく道はない。

バブソン大学の「世界を変える」起業道の基本も、自分がこうしたいという欲望(情熱)をもとに、「行動ありき」「失敗ありき」「人を巻き込む」の起業三原則をひたすら繰り返すことだ。

行動ありき
必要なものをリストアップする前に、今、現実にもっているもので始める。何事もやってみないとわからない。やってみないと何も学べない。

失敗ありき
失敗は必然。起業すればミスを犯すことは日常茶飯事。メンバーと失敗の定義や許容範囲を共有しておく(それ以上のリスクはとらない)。

人を巻き込む
さまざまな人(ステークホルダー)を巻き込む。課題やソリューションが大きければ大きいほど、ひとりでは実現できない。時には人に頼る強さをもつ。潮流を生む。

この三原則に基づき、行動(試行錯誤)⇒学習(仮説検証)⇒改善(軌道修正)を反復演習する。そしてその過程をトコトン楽しむ。それが、世界を変える力、不安定な世の中を生き抜く力を培ってくれる。

次回記事では、この起業の三原則について、解説していきたい。

山川 恭弘 バブソン大学アントレプレナーシップ准教授

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やまかわ やすひろ / Yasuhiro Yamakawa

バブソン大学アントレプレナーシップ准教授。東京大学教授。ベンチャーカフェ東京代表理事。CIC Japanプレジデント。
慶應義塾大学法学部卒業後、エネルギー業界にて新規事業開発に携わる。ピーター・ドラッカー経営大学院にて経営学修士課程(MBA)修了。テキサス州立大学ダラス校にて国際経営学博士号(Ph.D.)取得。バブソン大学では、学部、MBA、エグゼクティブ向けに、起業道・失敗学・経営戦略を教える。ベンチャー数社のディレクター・アドバイザーも務める。

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大前 智里 脚本家

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おおまえ ちさと / Chisato Omae

大阪大学経済学部卒業後、東洋経済新報社勤務を経て、脚本家に転向。作品に、「松本清張ミステリー時代劇」(BSテレ東、2015年)、「マネーの天使」(読売テレビ、2016年)、「小説王」(フジテレビ、2019年)など。「山本周五郎時代劇 武士の魂」第一話大将首(BSテレ東、2017年)で日本民間放送連盟賞番組部門〈テレビドラマ番組〉優秀賞受賞

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