アメリカのある調査によれば、リモートワークの課題は「コミュニケーション」「コラボレーション」(連携・協業)そして、「孤独」の3つの「コ」だそうです。
私の周囲でも「毎日汗水たらして満員電車に揺られて通勤していたのは何だったのか……」と在宅勤務を楽しんでいる人も多い一方で、「寂しい……」もしくは「会社がリモートを認めない……」と、ほぼ毎日、出社している人もいます。
リモートで、「生産性は劣るどころか、逆に上がる」というデータもありますが、「新たな営業先を開拓するのが難しかった」といった声も聞こえてきます。
日本人は圧倒的に「コミュニケーションに自信がない」
評価は分かれるわけですが、ポストコロナになっても、以前のようなフル出勤に戻ることはなく、これからは「ウィズ・リモート」が常態になることは確実です。
そんな時代に、あらためて注目を集めるのが、「話す力」。とくに、ウェブ会議などで、端的にしっかりと、伝えることが求められるようになり、ますます、その大切さや力不足を実感する人が増えています。
礼儀正しく、親切な国民性で知られる日本人ですが、「コミュニケーション」にかけては、他国の人と比べて、もともと「自信がない」「苦手」という人も少なくありません。
「コミュニケーションに自信がない」と答える人の割合は、年代問わず全体の過半数を超えています。
旅行サイトの「エクスペディア」が行った国際比較調査で、日本人は世界23カ国中、日本人は世界一「見知らぬ人とのコミュニケーションに消極的」であることがわかりました。「飛行機の中で知らない人に話しかける」という人の割合は、15%。インド(60%)、メキシコ(59%)、ブラジル(51%)と上位の国と比べると、圧倒的に低かったのです。
「知らない人と話す」「大勢の人の前で話す」。各種の調査でも、日本人の多くがこの2つを不得意と考えており、見知らぬ人とも平気で話し、堂々と人前でプレゼンをする海外の人々と比べると、「一億総引っ込み思案」ともいえる状態かもしれません。
もちろん、謙虚さを貴ぶ文化ですから、「慎み深くいていいではないか」という声も聞かれそうですが、グローバル競争時代に「言わなくてもわかる」「お天道様は見ている」ということなどありません。
高いクオリティの商品やサービスを生み出しても、それをアピールする力がない。「言うべきことはあるのに、きちんと主張できない」では、あまりにもったいないわけです。
なぜ、これほど「話すことに自信がない人が多い」のか。文化的・社会的に実に多くの理由が折り重なっているわけですが、私は日本人を追い詰める「3つの呪縛」があると考えています。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら