そして、黒田氏は「やっと、日本経済の真の問題である供給制約の状況が明らかになった。水面下にもぐっていた真の構造的な問題が明らかになった。これはチャンスだ」といっている。「やっと供給能力を増やすことが必要で、それにより、日本の潜在成長力を上げることが必要だ」と述べている。
なぜ日銀は金融緩和をやめないのか?
じゃあ、なんでなんだ。ということだ。
つまり、もう金融緩和は要らないのに、なんでやっているんだ。しかも、異次元の金融緩和を。異次元の金融緩和を継続というが、米国FRB流に言えば、まだ、アセットベースは拡大している。FRBは資産を買い増し続けている。買い増すスピードを落としているだけで、依然、FRBのバランスシートは膨らみ続けている。FRBは量的緩和という言葉は使わず、バランスシートポリシーと呼んでいるが、まさにバランスシートはまだ拡張を続けている。
買い増す額がゼロとなり、次に、ロールオーバー、つまり、保有している国債などの満期が来て、いわゆる期落ちとなったときに、この分を消却するのではなく、同様の債券を代わりに買うのだが、これを停止する、期落ちを実現するというステップがあって、その次が金利引き上げとなる。
一方、日本は、まだまだ異次元のペースで買い続けるのだ。これは、インフレ率が2%となり、それが安定するまで続けるのだ。まだ、2%になってないから、異次元の金融緩和は続けるのだ。
都市部や地方建設業に過熱が見られ、明らかに景気循環からいけば、景気刺激はやめないと無駄に過熱してしまっているから、経済にとってはロスとなるにもかかわらず、異次元の金融緩和、資産の大量買い増しを続けるのだ。完璧な黒田氏の頭脳と理論とこれまでの実績からいくと、この景気の現状と、現状の金融政策は、整合的ではないのではないか? なぜ、異次元金融緩和をやめないのか?
わからない。あれだけ完璧なのに、ここだけが完璧でない。
経済が完璧なのに、なぜ、政策は非常事態のまま、異次元のままなんだ?
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