「お酒で現実逃避する人」が見逃す不都合な真実 飲めば飲むほど「嫌な記憶」が強化されてしまう

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ストレスから逃れるためにお酒を飲む行為は、逆効果どころか自分を苦しめるだけです。「酒は百薬の長」だと思って飲んでいたら、実は「酒は万病の元」だった……では、笑うに笑えません。徒然草の作者である吉田兼好も「酒は百薬の長とはいえど、よろづの病は酒よりこそ起れ」とお酒に対する注意喚起を忘れていないほどです。

ちなみに、カリフォルニア大学の研究に、「メスにフラれたオスのハエは、アルコールの入った餌を好んで食べるようになった」という結果もあるほど――。ハエですらショックを紛らわすためにお酒に身を任せてしまう……皆さんは理性ある人間ですから、「やけ酒はダメ酒」だということを覚えておいてください。

飲酒にはメリットもある

だからといって、私は「お酒を飲むな」と言うつもりはありません。むしろ、適量さえ守れば、お酒はクリエイティビティを生む、良薬になる一面を持ちます。

イリノイ大学のジャロスツらが行った実験では、アルコールの創造性向上を示唆する結果が明らかになっています。まず、21歳から30歳の男性40人をアルコールを摂取した20人のグループと、摂取していない20人のグループに分け、パソコンの画面に映し出された言葉の問題について、各問1分間の制限時間内で答えを入力するという課題をやってもらいました。結果、正答数については両者に違いはなかったものの、アルコールを摂取したグループの方が回答が早く、また洞察に富んだ回答をしていたのです。

この実験では、摂取した被験者20人に、血中アルコール濃度が0.075%に達するまでお酒を飲んでもらいました。というのも、アメリカで定められている血中アルコール濃度の法的制限値は、基本的に0.08%。州によってはもっと厳しいところもありますが、0.08%の運転で違反となるのが一般的です。

なお、日本の法的制限値は、呼気1リットル中のアルコール濃度0.15ミリグラム以上0.25ミリグラム未満で酒気帯びに相当します。個体差こそあるものの、体重60キロの男性の場合、アルコール度数5%の缶ビール350mlで、血中濃度0.03%に達すると言われています。日本の方が断然厳しいんですね。

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