「お酒で現実逃避する人」が見逃す不都合な真実 飲めば飲むほど「嫌な記憶」が強化されてしまう

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話を戻しましょう。先のイリノイ大学の0.075%に照らし合わせると、缶ビール1~2本くらいがクリエイティビティを生むお酒の適量と言えそうです。

アイデアを思いつく“ひらめきの瞬間”には、耳の少し上にある脳内の上側頭回という部分が活発に動いていて、その動きを活発にするためにリラックスしている状態で出る脳波“アルファ波”が大量に出ていると言われています。

散歩中やシャワー中、トイレにいるときにアイデアが湧きやすいのは、リラックスしていることでアルファ波が出やすくなっているために、ひらめきやすいというわけです。

ストレス解消につながる飲み方

適度な飲酒によって生じるリラックス作用が、上記したような創造性を向上させる。さらには、ふだん、脳のワーキングメモリは必要な情報と必要ではない情報を取捨選択しています。アルコールを摂取するとその働きが鈍って、ふだんは捨てられてしまう情報が拾われるようになるため、これまでになかったような情報の組み合わせ、つまり新しい考えが得られると言われています。

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お酒を飲むと、「なんとなく楽しくなる」という人もいると思います。たしかにお酒が入った状態で人と話すと、気持ちが高揚してきます。しかし、それはお酒の力ではなく、人と話すことで心身の安定や心の安らぎを感じる物質・セロトニンが分泌されるからです。

お酒を飲む人は、人と楽しい話をすることをメインディッシュに考え、お酒を飲むこと自体をサイドディッシュにすることが肝要です。私の周りにいる仕事ができる人たちは、皆さん、お酒が好きだけど“お酒に飲まれない人”ばかりです。お酒に飲まれてしまうと、自分のやる気や元気を損なうような、ストレスを生む出すだけの飲み方になってしまうので気を付けてください。

堀田 秀吾 明治大学教授

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ほった しゅうご / Syugo Hotta

言語学博士。熊本県生まれ。シカゴ大学博士課程修了。ヨーク大学オズグッドホール・ロースクール修士課程修了。言葉とコミュニケーションをテーマに、言語学、法学、社会心理学、脳科学などのさまざまな分野を融合した研究を展開。熱血指導と画期的な授業スタイルが支持され、「明治一受けたい授業」にも選出される。研究の一方で「学びとエンターテインメントの融合」をライフワークとし、研究活動において得られた知見を活かして、一般書・ビジネス書等を多数執筆、テレビ番組にも出演する等、多岐にわたる活動を展開している。

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