銀座線の駅改装計画は、車両の更新やホームドアの設置などと並ぶ同線リニューアル計画の主な取り組みの1つとして2012年にスタート。全線を「下町」「商業」「ビジネス」「トレンド」、そして「銀座」の5つのエリアに分けて駅デザインを公募した。
銀座駅は2015年にデザインコンペを実施。最優秀賞の案をもとに設計を進め、2017年に工事に着手した。設計は日建設計、施工は大成建設が担当し、事業費は約220億円。今回同時にリニューアルした5駅を合わせた総事業費は約337億円という。
銀座駅の改装は、今夏開催予定だった東京五輪・パラリンピック前の完成を目指して進んできた。だが、コロナ禍を受けて工程の見直しや作業員の規模縮小などを行ったといい、リニューアルのお披露目は今回のタイミングとなった。改装はまだ完全には終了しておらず、今後もバックヤードや一部出入り口などの工事が続く。すべて完成するのは2023年の見込みで、「コロナ禍による影響も含めてこの時期としている」(東京メトロ)という。
コロナの影響はどう出るか
東京メトロは9月末、コロナ禍による減収を受け、本年度の設備投資予算を1690億円から1400億円に変更した修正事業計画を発表した。「個別の案件に関する見解は出していない」(同社)ため、具体的にどのような部分に影響するかは不明だが、例えば「車両更新」については当初の190億円から179億5000万円に、「駅空間整備」は300億円から252億円に修正しており、同社は安全確保を前提に設備投資の見直しを進めるとしている。
銀座線の駅改装は、今回の銀座駅など5駅を合わせて全19駅中12駅が実施済み。現在は渋谷、新橋、虎ノ門の3駅で改装を進めており、残る表参道、赤坂見附、溜池山王、三越前の4駅についてはこれからだ。2012年の計画開始時は2022年度までに全駅の改装を完了する予定だったが、現時点では具体的な目標年は決めていないという。
東京メトロは、全駅のリニューアルを実施するかどうかも含め、「先の長い案件については(見直しなどについて)今後精査していく」とする。ホームドアの整備や車両更新など推進すべき案件が多い中、今後の駅改装の進捗に影響が出る可能性もありそうだ。
コロナ禍以前は多くの訪日外国人観光客でにぎわっていた銀座駅、そして銀座線。さまざまな色の光が照らし出す駅に、訪日客の姿が戻る日はいつになるだろうか。
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