新しくなった「iPhone 12」、驚きのカメラ性能 通信速度はどれほど変わったのか、実測した

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iPhone 12シリーズには、久しぶりにデザインの大きな変更が加わった。2014年のiPhone 6以降、側面は丸い曲線で描かれ、ディスプレー部分がぷるんと盛り上がるような一体的な弧を描くデザインだった。2020年モデルのiPhone 12シリーズでは、丸いエッジ(角)が垂直に立ち上がるデザインに整えられ、ガラスもフレームの高さとそろえられた。

iPhone 12のエッジは表面がサラサラとしたアルミニウムで、レビュー機材のグリーンは表面の質感と柔らかな色味から、とても親しみを感じた。一方iPhone 12 Proのパシフィックブルーは、光沢のあるステンレススチールが青く染め上げられ、吸い付くようなしっとりとした感触を楽しめるが、少しギラギラしすぎるとも感じ、暗い色でちょうどよい、と個人的には感じた。

より強度が増したディスプレー

ディスプレーを覆っているのはセラミックシールドと呼ばれる新素材で、これまでのガラスに比べてより強度が増している。セラミックのような多結晶物質は通常不透明に焼き上がるが、材料、高温に設定された温度、適切な焼き時間のレシピによって強固で透明な物質を作り出すことに成功した。また前述のフレームとセラミックシールドの高さをそろえるデザインの改善で、耐落下性能は4倍になったという。

擦り傷などはよりつきにくくなっているが、より硬い物質、例えばiPhone背面のカメラレンズやApple Watchなどに用いられているサファイヤクリスタルなどとこすれれば跡がついてしまうので、引き続き取り扱いには注意したほうがよい。

側面から膨らみが取り除かれたことで、iPhone 11と同じ6.1インチの画面サイズを持つiPhone 12のサイズは小さくなった。前述のようにサイズがより小さなiPhone 12 miniが控えているが、iPhone 12は十分に小さな握り心地。筆者も手が小さいほうだが、iPhone 12 miniを待たずに6.1インチモデルを選らんでも手に馴染むと感じた。

見た目以上に、触ったら‟やられる”デザインだ。5.4インチのiPhoneでなくても十分コンパクトさを体験できるなら、画面サイズが0.5インチ大きいモデルのほうがいいし、カメラが3つあるiPhone 12 Proを選びたくなる。

iPhone 12はiPhone XRやiPhone 11と同じディスプレーのサイズで、よりコンパクトで軽くなる。一方5.8インチだったiPhone X・iPhone XS・iPhone 11 Proと比べると、iPhone 12 Proはディスプレーサイズが0.3インチ拡大しながら、幅は0.1mmしか増加せず、1g軽量化。

新しい6.1インチモデルのデザインは、それぞれのモデルにメリットを持たせる形で設定された絶妙さがある。

iPhone 12シリーズ全体を通して、次世代通信規格の5Gに対応する。日本向けには、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3大キャリアで、5G通信に対応する。ただしエリアの狭さから、現時点では5G対応の効果は限定的であり、将来にわたって数年間使い続ける際の「保証」という位置づけで捉えておくべきだ。

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