早朝から外をウロウロ「放置子」の深刻な実態 専門家は虐待の一種だと警鐘を鳴らしている

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「放置子」の対応に悩む声がしばしば上がっている。どのように向き合えばいいだろうか(写真:8x10/PIXTA)

「コロナ禍でも毎日のように『ピンポン』と呼び鈴を鳴らされる」「勝手に家に入ってきたり、ものを壊されたりする」

傍若無人に振舞う近所の子どもに悩まされている人たちがネット上で不満を綴っている。このような子どもたちはネット上で「放置子(ほうちご)」と呼ばれ、その対応に悩む声がしばしば上がる。

当記事は弁護士ドットコムニュース(運営:弁護士ドットコム)の提供記事です

中には、助けになりたい気持ちで手を差し伸べたところ、子どもが毎日家に来たり、自分の子どもと敵対するようになったりしてしまい、頭を抱えている人もいる。子どもの保護者に話をしても改善されないケースも少なくないようだ。

トラブルを避けるために「気の毒だが、放置子には関わらないほうがよい」という声もある。しかし、子ども支援に詳しい深谷野亜准教授(松蔭大学)は、「放置子も虐待の一種であるという認識が必要」と指摘し、子どものためにも児童相談所全国共通ダイヤル「189(いちはやく)」に連絡することを推奨する。

放置子とどのように向き合うべきか。詳しく話を聞いた。

昔からいた放置子、近年語られるようになった訳

ーーそもそも、「放置子」とはどのような子どものことをいうのでしょうか。

「放置子」に関する明確な定義はないようです。

ただ、1人ではまだ色々なことがうまくできず、本来であれば、親などの大人と一緒にいて、大人の庇護(ひご)下にあるべき年齢であるにもかかわらず、ほったらかしにされている子ども(幼児から小学校中学年ぐらい)のことを指すことが多いように思います。

「放置子」という言葉が近年になって語られるようになった背景には、SNSを通じて語れる場が一般に向けて開かれたことが大きいでしょう。ただ、それだけではなく、家族や社会のあり方の変化によって、放置子が作り出される側面もあると思います。

「放置子」という言葉はありませんでしたが、ひと昔前もいわゆる養育放棄といえるケースは一定数ありました。

ただ、そのころは近年と違い、いわゆる「おせっかい」なおじさん、おばさんや、近所に住む(あるいは同居する)祖父母が手を差し伸べ、声をかけていました。近年と比べて、「社会全体で子どもを育てよう」という意識があったように思います。

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