研究で判明「陰謀論を信じる人」に共通する性格 米国人の3割はコロナは作られたと信じている

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調査チームは、陰謀論の影響を受けやすいという特性が、性格のどの側面と最も強い相関関係があるかを調べた。この調査で、関係が明らかになった点も、関係がないとわかった点も、ともに注目できる。

たとえば、良心的であることや謙虚さ、利他主義などの性質は、信じやすさとの相関関係は非常に弱かった。怒りのレベルや誠実さ、自尊心とは、明らかな相関関係はなかった。

「人格検査は、あまりよく理解されていないことを測るには、それほどよい指標ではないということを考慮する必要がある」とボウズは言う。「結果として得られるのは、曖昧な像だ。特に最初の調査ではその傾向がある」。

不安が広がっているときは注意すべき

陰謀論を信じやすい傾向と強く関連していた性格特性は、よく挙げられそうなものだった。(社会保障などの)給付金受給、自己中心的な衝動性、冷淡さ(独断的なインジャスティス・コレクター)、抑うつ的な気分や不安のレベルの高さ(年齢や環境によって制限を受けている不機嫌な人)などだ。

パーソナリティ障害を調べるための質問からは、もう1つの特性が浮かび上がってきた。それは、「サイコティシズム」と呼ばれる思考パターンだった。サイコティシズムは、統合失調症型パーソナリティ障害の中心的な側面であり、その特徴は「奇妙な信念、および魔術的思考」「妄想的思考」などだ。

やがては、科学者やセラピストが、現実から大きく外れた「大ウソ」の陰謀論を信じる人に、何かしらの診断をつけようとするだろう。いまのところ覚えておくべきなのは、人は心が乱れている時には、情報源を十分に吟味することなく、記事や見出しなどを他人に転送する可能性が高くなるということだと、ペニークックは言う。

「基本的には、人は間違った内容を広めたいとは思っていない。しかし、人々がウイルスのことを心配している現在のような時には、『新型コロナはビタミンCで治る』とか、『全部でっちあげだ』などの言葉が広まりがちだ。

(執筆:Benedict Carey、翻訳:東方雅美)
© 2020 The New York Times Company

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