大坂なおみに「共感する女性」が口々に語る理由 彼女が訴えているのはBLM問題だけではない

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「実際、BLMのムーブメントはジョージ・フロイド氏1人の死から発生したものだと思っている人や、貧困が原因だと思っている人もいた。しかし、大坂選手の行動のおかげで、日本のテレビ番組でもマスクに名前が記された人たちがどのように亡くなったのか、1人1人丁寧に紹介されたこと、大坂選手の『悲しいことに、7枚のマスクだけでは被害者全員の名前を出すのに全然足りない』という発言が日本語に訳されて発信されたことは、BLMの背景にはたくさんの失われた尊い命が存在することに日本人が気づくきっかけになった。

こうした一連の報道で、より多くの人が、より深い理解のもとにBLMに興味を示したり、より身近な話題として捉えたりするようになっている。実際わたしの友人の中にもジョージ・フロイド氏の死に対し、黒人たちが暴動を起こしていると受け取っていた人たちもいたが、彼女の優勝インタビューが日本で報道されてから、明らかにBLMについて話しやすくなった。」(矢島さん)

一部の男性から集中攻撃を浴びた

大坂の言動をポジティブに受け止める人が多い一方、反発も少なからずある。日本では一部の保守層がいきり立って大坂を攻撃し、BLMを支持することはテロやテロリズム的な思想を支持するのと同じだと批判した。これに対して大坂は、全米オープンで優勝した際にこうツイートした。

「私に対して『スポーツに政治を差し挟むな』(政治的なものではまったくないのだが)と言っていたすべての人々によって、私は絶対に優勝してやるという気持ちになった」

実はこうした批判の多くは日本人男性からのものだった。彼らの多くが沈黙を守ることを拒否する大坂のような、今の日本人女性に免疫がないのだ。大坂の戦いはある意味、日本女性の戦いでもある。女性蔑視や性差別が残る社会において、長年にわたり医学部入試において女性差別が行われたり、伊藤詩織が「性暴力の被害者には見えない」と平気で言われたりするような社会において、大坂の言動は若い女性に自信を持つ勇気を与えている。

東洋大学の高橋柊さん(20)は、今がちょうど変化への過渡期ではないかと見ている。

「世界的に見ると日本が男女平等の実現において、かなり遅れていることは確かだと思う。それは、女性が育児、男性が仕事という古い概念がまだ社会に残っているからだ。例えば、内閣を見ると男性がほとんどだし、年収を男女で比較すると男性のほうが明らかに多い。数年後、社会に出て働く身としては、女性も男性と同じように評価される会社に勤めたいと思うし、社会全体が変わってくれることを期待している」

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