退院したトランプ大統領の猛反撃はあるのか バイデン氏次男のウクライナ疑惑追及も争点に

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「(副大統領候補の)討論の争点としてはコロナ問題に加え、オバマケアの是非も絡む最高裁判事の指名問題、さらには人種問題などが注目される。ペンス氏は対中強硬演説をしてきただけに、対中政策もテーマになるかもしれない。福音派の同氏はイスラエル寄りの立場であり、これにハリス氏がどう距離を取るかも焦点となりそうだ」(渡辺氏)。

ハリス氏は黒人女性であるうえ、ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も重要だ)の人種差別抗議デモが拡大した後でもあり、「ペンス氏としては攻撃の仕方に注意する必要があるだろう」(同)。

次なるオクトーバーサプライズは何か。渡辺氏は、「1つはトランプ氏の納税疑惑。バイデン氏側では、次男ハンター氏のウクライナや中国でのビジネスをめぐる疑惑が考えられる。いずれも第1回の討論会のときには話が混乱してうやむやに終わったので、改めて討論の行方が注目される」と話す。

法廷闘争などリング外の乱闘も

ときに誤解も拡散されるオンラインニュースの時代。解説部コラムニスト7人がそれぞれの専門性を武器に事実やデータを掘り下げてわかりやすく解説する、東洋経済のブリーフィングサイト。画像をクリックするとサイトにジャンプします

今回の選挙ではコロナ感染防止のため郵便投票が急増する見通しだ。トランプ氏が郵便投票を「不正の温床」と指摘していることもあり、開票結果次第では「法廷闘争など“リング外”での争いに発展する可能性がある」(同)。それを意識した駆け引きがすでに始まっている。

一部の有識者の間では、トランプ氏がイランに対して軍事挑発をかけるなど「戦争カード」を切るのではないか、との観測もある。「戦時大統領」となって国民の支持を集めることで選挙戦の劣勢逆転を図るためだ。勝負のためにはどんな禁じ手であっても使ってくるかわからない。同氏の行動にはそうした不確実性がつねにつきまとう。

投票日まで残すところあと4週間。終盤戦の攻防からますます目が離せない。

中村 稔 東洋経済 編集委員
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