島耕作が「人と群れる生き方」避けた納得の理由 「君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」

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こんなことをして、みんなで何かやるという安っぽい連帯感に浸っているよりも、ほとんどの学生は親が学費を出しているのだから、授業を受けるべきじゃないか、と思ったのです。それ以来、学生運動には参加しませんでしたし、群れるような人間にはなりたくないと思い始めたのです。

松下電器に就職してからも、けっして孤立していたわけではありませんが、一匹狼的な生き方を信条としていました。

組織の一員として働く以上、連帯感を持つことは大事ですけど、そこに依存したくないし、されたくもない。漫画家という、ひとりでやる仕事を選んだのはそんな基盤があったからかもしれません。

「島耕作」はどんな風に作られるのか?

今でこそアシスタントとの共同作業になっていますけども、基本的にはストーリーやキャタクターを創造するところから描き上げるところまで、ひとりで完結する仕事です。

アシスタントとの共同作業をするようになってからも、「個」を大事に思う気持ちに変わりはなく、あえて孤独を求めているようなところがあります。

だいたい夜中の2時くらいに仕事場から帰って、ちょっとした肴を用意してひとりで好きな酒を飲みながら昔の映画を観るのが日課なのですが、1本まるごと観ることはまずなくて、冒頭のきっかけ作りやラストのまとめ込みなんかを断片的にいくつか観ることが多い。冒頭を観て設定が面白いと思ったら、もうその映画を観るのはやめて自分でストーリーを組み立てていくんです。逆にラストシーンを観てそれまでのストーリーを考えることもあります。

それから眠ります。普通の人からしたらちょっと遅めに起きて、シャワーを浴びて、一日のいろいろなことを計画しながら脳のウォーミングアップをして家を出ます。ファミレスや喫茶店に寄って、前の晩に浮かんだアイデアなどを練りながらランチをとり、仕事場に着くのは午後1時くらいですから、一日の半分、言ってみれば一年の半分はひとりでいることになります。

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