強引な退院でもトランプ大統領が不利なワケ

大統領再選阻止、バイデン有利に働く3つの要因

早期の退院で、タフぶりをアピールするトランプ大統領(写真:ロイター/Jonathan Ernst)

10月5日夕方、新型コロナウイルス感染で入院していたアメリカのトランプ大統領が退院。今やコロナ感染者の続出で「ホットスポット」と化したホワイトハウスに戻った。ホワイトハウス到着後、大統領は2階のバルコニーでマスクをはずし、あたかもコロナを克服したかのような素振りを見せた。退院直前、大統領は「コロナを恐れるな」ともツイートした。

だが、大統領は選挙戦への影響懸念から早期退院を要求していたと言われ、医師団によると大統領はまだ完全には回復していない。当面、大統領の健康状態について国民の懸念は残るだろう。全米で最も優れた医師団が大統領の治療にあたり、回復に期待が持てるものの、今や奇跡が起こらないかぎり選挙戦の挽回は困難にみえる。

①大統領の感染でコロナが再び選挙戦の最大の争点になったこと、②信憑性を疑われる経済復興策、③大統領不在の選挙キャンペーンといった3点の理由から再選阻止の最後の一撃となるかもしれない。

再びコロナが選挙戦の最大の争点に 

まず、大統領のコロナ感染で、選挙戦の話題がコロナ対策の失敗に集中してしまい、再選が阻まれる公算が大きい。大統領が感染する前の9月7~9日に保守系メディアのフォックスニュースが実施した世論調査では、「コロナ対策ではどちらの候補が勝るか」との質問に、52%がバイデン前副大統領、44%がトランプ大統領と答え、バイデン氏が上回っていた。選挙戦で大統領はコロナ問題に言及することを避け、パンデミックをまるで過去のことのように語ってきた。

大統領は感染発表直前の10月1日のイベントでも「パンデミックの終焉は間近に迫っている」と語ったばかりであったが、実際には直近で中西部を中心にコロナ感染は拡大していた。また、トランプ陣営は9月のギンズバーグ最高裁判事の死後、選挙戦の話題をコロナから後任判事指名承認に切り替える試みを行っていた。

だが、トランプ氏の感染とともに、コロナから国民の目をそらそうとする努力は水の泡となった。今後、大統領選までメディアや国民の注目はコロナに集まることが避けられない。

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