若いあなたが将来「不健康」になりかねない危機 超長寿時代、日本人の身体と社会構造が心配だ

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ここまで日本人の体の変化について見てきましたが、ここに「社会の変化」が加わると、より不健康リスクは高まります。

これからの日本社会、「超少子高齢化」「人口減少」が避けられません。そして、この「人の数が減る」という社会構造の変化は、私たち1人ひとりの不健康な老人予備群入りのリスクを高める可能性があります。

人の体の健康は筋力や食事だけで決まりません。他人や社会との関わりを失うと、体の不健康にも波及していきます。

今、65歳以上のひとり暮らしは男女ともに増加の一途をたどっており、1980年には全高齢者のうち男性4.3%、女性で11.2%が独居だったのに対し、2015年には男性13.3%、女性21.1%にも上ります。未婚、子どもがいないなど、人生100年時代は「お一人様高齢者」の激増が見込まれているのです。

「買い物」ができなくなる

高齢になると移動に制限がかかり、外出が難しくなります。

スーパーやコンビニが遠くて車も使えず、食品の買い物に困る人を「買い物困難者」といいますが、農林水産省は65歳以上の「買い物困難者」は2015年時点で824万人以上との推計を発表しています。

これは2005年からの10年間で21.6%増という上昇値で、東京・大阪・名古屋などの大都市にいたっては10年間で44.1%も買い物困難者が増加しています。おそらく、首都圏でも、郊外の大型モールに車で買い物に行くスタイルが広がっているためでしょう。

外出の有無は食生活に直結することがわかっていて、なかなか買い物に行けない高齢者は、3大栄養素のうち「炭水化物」に偏った食事になりがちです。米やインスタント麺は保存が利くので買いだめができ、またコンビニや地方の小さな商店でも、お菓子やパンは手に入りやすいためだと思われます。

人口減と高齢化が組み合わさることで、人との関わりが薄くなり、そして食べるものにも影響を及ぼしながら不健康寿命の伸長へとつながっていくのです。

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