黄色のファナックが「白いロボ」で深める自信

山口社長「協働ロボットでも世界一を狙う」

――協働ロボット市場はデンマークのユニバーサルロボットが先行し、他のロボットメーカーの参入も相次いでいます。どのようにシェアを獲得しますか。

正確な統計がないので、市場で言われていることだが、安全柵の中で使われる従来の産業用ロボットは当社が(世界)シェア1位だと言われている。協働ロボットについても商品の魅力を高めていき、お客様に(競合メーカーに対する)当社のロボットの優位性を理解いただいて、同じようにシェア1位を目指したいと思っている。

やまぐち・けんじ/1993年東京大学大学院修了、ファナック入社。2007年本社工場長、2008年専務、2012年副社長、2016年社長兼COO、2019年4月から社長兼CEO(編集部撮影)

ただ、シェアは結果だと思っていて、採算に合わないような安売りをしてまでシェアをとろうということはまったく考えていない。当社は基本的には最初に目標となる原価を決めているので、黄色いロボット(協働型ではない従来の産業用ロボット)と原価率が異なることがないようにしている。

事業として長続きするためには適正な利益をいただきながら拡販することが重要だ。シェアありきではなく、あくまで市場で評価されてシェアが伸びていくというふうに進めていきたい。

――ファナックの協働ロボットの特徴は何になるのでしょうか。

当社は安全性と信頼性について、長年黄色い産業用ロボットで培った評価がある。協働ロボットは、安全柵の中で使われる産業用ロボットと異なり、人と一緒に使われるので安全性を最重要視している。間違っても挟まれることがないよう、人がロボットに触れると停止する。お客様に試してもらうと「実際に軽い力で止まるんですね」と驚かれることが多い。

セールスと同行してニーズをつかむ

使いやすさという点でも、CRXシリーズはロボットの(動き方を指示する)教示操作盤やその中に組み込まれている操作ソフトウェアなどで、今までの産業用ロボットとは一線を画したものを提供できている。

従来の産業用ロボットは、動き方を指示する際に、ある程度のプログラミングの知識が必要とされており、導入のハードルが高かった。今回の協働ロボットでは、タブレット上でアイコンをドラッグ・アンド・ドロップすることで教示プログラムを作成できる。スマートフォンのような操作で視覚的にもわかりやすくしている。ロボットのアームを(人間が)直接持って教示するダイレクトティーチも軽い力でできる。

――「使いやすさはロボットの競争力のカギを握る」とかねて公言してきましたが、開発段階から工夫してきたのでしょうか。

設計者や開発者自身が実際に自分でロボットを操作し、どのようにするのが一番使いやすいのかということを主体的に考えて開発した。開発者がセールスと一緒に顧客の元へ伺い、ダイレクトな声を聞き改良に生かしていることも当社の強みだ。従来の商品で努力していないわけではないが、CRXシリーズではより意識を高くもって開発にあたった。

ロボットの機構だけでなくソフトやモーターも重要だった。そのため、ロボット機構開発研究所、ロボットソフト開発研究所だけでなく、ハードウェア研究所、サーボ研究所なども一体となって開発に取り組んだ。使いやすさはまだまだ良くなると思うので、今後もソフトを中心に改良を重ねていきたい。

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