東芝機械vs村上ファンド、大詰め攻防のゆくえ 坂元社長「総会で3分の2以上をとり圧勝する」

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東芝機械と村上ファンドの攻防は大詰めを迎えている(撮影:梅谷秀司)
東芝機械が3月27日に開く臨時株主総会を前に、同社と村上ファンドとの攻防が大詰めを迎えている。
村上世彰氏が実質的に支配するシティインデックスイレブンス(イレブンス)は1月21日に東芝機械に対する株式公開買い付け(TOB)を開始。4月16日まで1株3456円で買い付ける計画で、すでに保有している12%と合わせて最大43%の東芝機械株取得を目指している。
これに対し、東芝機械はTOBに強く反発し、臨時株主総会で買収防衛策の導入と発動の是非を問う予定だ。
当初、機関投資家は買収防衛策に否定的だとみられていたが、3月13日に議決権行使助言会社のISSが「防衛策導入に賛成」と推奨したことを機に潮目は大きく変わった。イレブンスは3月19日に訂正公開買付届出書を出し、臨時株主総会前に120億円以上の自社株買いをすればTOBを撤回すると表明した。
TOBの判明後、東芝機械の株価は弱含みで推移しており、年初来安値の1782円を割り込みかねない。株式市場はTOBが成立する見込みを低いとみている。2月21日に東芝機械の社長に就任し、村上ファンド側との交渉の矢面に立ってきた坂元繁友氏に今後の見通しについて尋ねた。

賛成票は順調に積み上がっている

――臨時株主総会で過半数の賛成を得る自信はありますか。

優位に進んでいると思っている。当初はわれわれの対抗策に対して買収防衛策の再発動だというイメージをもっていた機関投資家も、足元では賛成の意向を示すことが多くなった。その中で、外国投資家に影響力があるISSが買収防衛策の導入と発動について賛成の推奨を発表した。これは非常にいい追い風になっている。アクティビストや海外投資家を顧客に持つ彼らが(買収防衛策に)イエスというのはよほどのことだ。われわれのアドバイザーも驚いている。

村上グループを除くと筆頭株主となるブラックロックグループ(約5%を保有)も、対抗策や2月4日に発表した中期経営計画を評価し、われわれに賛成の意向を表明した。スチュワードシップ・コードを持つ機関投資家は賛成を出すのが難しい環境にあるので、先陣をきってブラックロックやISSが賛同を表明してくれたことは非常に大きい。今のところ順調に賛成票が積み上がっていると思う。

ただ、村上グループが12%の株を持っているのは大きい。棄権する投資家もいるし、TOBに参加したいという個人投資家もいる。どんでん返しもありうる。最後まで気を緩めずに、3分の2以上をとって圧倒的に勝ちたい。

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