東芝vsHOYA「半導体装置メーカー」争奪戦の行方

親子上場の解消目指す東芝にHOYAが「待った」

11月にニューフレアテクノロジーなど上場子会社の完全子会社化について発表する東芝の車谷暢昭会長兼CEO(撮影:尾形文繁)

東芝とHOYAが東芝の上場子会社をめぐり、異例の争奪戦を繰り広げている。

HOYAは12月13日、東芝の上場子会社で半導体製造装置を手がけるニューフレアテクノロジーに対して、来年4月にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表。だが、東芝は現在、ニューフレアに対して完全子会社化を目指したTOBを12月25日まで実施中で、HOYAの提案には応じない姿勢を見せている。

HOYAは13日に公表した文書で「東芝グループにとってもこのTOBは魅力的なもの。応募していただけると考えている」とコメント。さらに、東芝のTOB実施期間中に発表した理由について、2017年以降、複数回ニューフレアに提携を打診したが、反応がなかったためという。

東芝関係者は「連絡が一切なく、突然で驚いている」としたうえで、「ニューフレアの企業価値を最大限に向上するのは当社による完全子会社だと考えている」とHOYAに反論している。

ニューフレアは利益率2割を誇る優良企業

もっとも今回のTOBは東芝にとって、親子上場解消が主たる目的だ。ニューフレアが手がける製造装置の基幹部品を東芝が提供しており、完全買収によって「確実性の高い相乗効果が見込める」(東芝の車谷暢昭会長兼CEO)としていた。

ニューフレアは2002年に東芝機械から半導体装置事業を承継して事業を開始。半導体の原版に回路を描く電子ビームマスク描画装置で世界シェア8割以上と、競合他社を圧倒している。2019年3月期の業績は売上高578億円、営業利益118億円と利益率が2割を超える優良企業だ。

一方、HOYAは半導体用マスク基板に強い。半導体メーカーと取引のあるニューフレアを取り込めば、製品開発のスピードが上がるとみており、HOYAとニューフレアの組み合わせは市場関係者からも一定の評価をする声がある。

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