東芝vsHOYA「半導体装置メーカー」争奪戦の行方 親子上場の解消目指す東芝にHOYAが「待った」

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今後はどういうシナリオが考えられるのか。東芝機械の株主にとって、東芝より1000円高いHOYAの提案が魅力的なのは間違いない。その場合、東芝が本気でTOB成立に動くにはTOB価格の引き上げも選択肢に入る。

実際、ニューフレアの株価はHOYAの発表以降、上げ幅は10%を超え、足元で高値圏が続いている。ただ、東芝はガバナンス強化の一環で外国人の社外取締役が増えており、買い取り価格を重視すれば、HOYAを上回る価格には難色を示す可能性もある。

HOYAが思い描く展開

他方、キャスティングボートを握る東芝機械幹部は「何も決まっていない」と話すにとどまる。仮に東芝のTOBが失敗した場合、HOYAは来年4月にTOBに踏み切る考えだ。とはいえ、ニューフレア株を5割以上保有する東芝がTOBに応じなければ、HOYAも失敗する。

だが、東芝が逆にニューフレア株を売却して700億円を超える現金を手にする可能性も残っており、HOYAはそこにかけているようだ。東芝は大幅増資して「物言う株主」も増えており、複雑な方程式であることは確かだ。

東芝によるニューフレアへのTOB期限は12月25日。クリスマスにサンタクロースからプレゼントがもらえるのははたして誰か。

冨岡 耕 東洋経済 記者

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とみおか こう / Ko Tomioka

重電・電機業界担当。早稲田大学理工学部卒。全国紙の新聞記者を経て東洋経済新報社入社。『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部などにも所属し、現在は編集局報道部。直近はトヨタを中心に自動車業界を担当していた。

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