住まいに「緑」を取り入れたい人が増える背景 外構やガーデニングへのニーズが高まっている

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そこでお勧めしたいのが、「中間領域」と言われる半屋外のスペースを建物内に設けることだ。例えば大きめのバルコニーやテラスをリビングなどに隣接して設置することで、空間がより広く活用できる、あるいは広く感じられるようになる。

上層階のバルコニーに中間領域を設けた事例(写真:筆者撮影)

また、鉢植えやアウトドア用品を配置することで、建物内部にいながら外の環境を感じられる空間とすることができる。屋上利用なども含め、現在はさまざまな提案が存在するので、敷地条件などを考慮しながら採用するとよいだろう。

いずれにせよ、暮らしの中に緑を取り入れることには、冒頭に紹介したMさんのケースのように在宅ワークなどでのストレス発散、ON・OFFの切り替えなど気持ちを整理する効果も期待される。

分譲マンションやアパートなどの共同住宅、庭や中間領域を設けづらい住宅にお住まいで、少しでも緑を感じられる空間にしたいと考える人なら、室内で緑を楽しめるインテリアグリーンを設置するなどの工夫をするのもよいだろう。

ガーデニング需要が増加、品薄状態も

インテリアグリーンと言えば、それらを販売するホームセンターにもコロナ禍前後で大きな変化が見られる。例えば、大和ハウスグループのロイヤルホームセンターは今年4~7月に売上高が324億円(前年同期比9.1%増)となっていた。

コロナ禍以降、販売が好調なガーデニング関連コーナー(ロイヤルホームセンター戸田公園内、写真は筆者撮影)

このうち、コロナ禍による「巣ごもり需要」として、ガーデニングが31億円(14.5%増)、DIYが47億万円(15.8%増)、ペットが26億円(10.7%増)、家庭用品・収納用品が20億円(13.4%増)といずれも大きく増加していた。

ガーデニングについては、同社では、とくにゴールデンウイーク期間中は需要の増加により、レンガや砂利などといった普段あまり売れないものも含め、商品の確保に大変苦労するほどだったという。

今後について、同社関係者は「もともと、時間に余裕のあるシニア層が固定客としてガーデニング市場を支えていたが、コロナ禍で子育て世代のニーズが増加した。今後も在宅勤務が一定の割合で推移することが予想され、緩やかに需要拡大は見込まれる」と話している。

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