住まいに「緑」を取り入れたい人が増える背景 外構やガーデニングへのニーズが高まっている

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本厚木は前回調査(今年2月発表)で4位だったこともあり、もともと、「住みたい街」として人気の高かった。だが、1位になったことについては「意外、これはコロナ禍がなければありえないこと」(ある不動産関係者)ともみられている。

これらの街は都心などへのアクセスがよく、駅周辺は繁華街が形成されているが、一方で少し足を延ばすと自然が豊かであり、そうした点がコロナ禍において人々に評価されたものと考えられる。

さいたま市内の芝川周辺の様子(写真:筆者撮影)

あくまでも「賃貸住宅」についての調査であるが、持ち家に比べ引っ越しが容易なため、その時々の状況や人々の住まい、暮らしに関する価値観をタイムリーに反映すると思われるので、あえて紹介した。

さて、持ち家、その中でも戸建て住宅で、コロナ禍以降、郊外型へのニーズのシフトがある旨を書いたが、それはハウスメーカーのここ数カ月の契約状況などを確認するとわかるので、あえて詳しくは内容を紹介しない。

その代わりに、ここで筆者が戸建て住宅、中でも分譲戸建て住宅の購入を検討している人に、良しあしを判断する際に参考にしてほしいと思っていることを記しておく。それは物件における外構の充実度合いだ。

外構の充実度が物件の良しあしの判断材料に

不動産の世界では、緑が豊富で管理された外構のある住宅は「資産価値が高い」ものとして評価されることが多い。そうではないものと比べ美観の面で優れるため、購入希望者に評価される傾向にあるからである。

また、外構が充実した分譲住宅は、そうでないものと比べ、それを供給している事業者がより信頼性を持った企業であるとも判断できる。建物だけでなく敷地全体を美しくデザインするスキルがある、または少なくともそうしようとする努力が垣間見えるからである。

外構が整えられた分譲住宅地の事例。各戸にテラスがあるが、これは住民交流を促すことを狙った工夫でもある(写真:筆者撮影)

ちなみに、ある程度の規模の分譲住宅地なら、資産価値の維持だけでなく、外構を良好なコミュニティ形成のための仕掛けとすることもある。草木などの手入れを通じて住民同士の会話が生まれ、それがひいては防犯や災害時の互助関係づくりに役立つからだ。

このように、外構は物件の良しあしを判断する材料になるわけで、そんな視点を持ちながら住宅取得を検討すると、より満足度の高い住まいを得るための足掛かりの1つになるだろう。

注文スタイルで住宅を取得しようと検討されている人の中にも、暮らしの中に緑を取り入れたいと考えるようになった人も多いだろう。ただ、中心市街地での家づくり、とくに狭小敷地での場合はそれが難しいケースが多いのが実情である。

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