日本の夫は「子育てが情けない」酷評される証拠 共働きでも育児・家事に消極的なケースが多い

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最後は生活費を稼ぐのが誰であるかに関して、である。これは東アジアの日本と韓国が圧倒的に主に父親で、70パーセントを超えている。南アジアのタイでは父母が共同でというのが48.0パーセントで、主に父親の40.1パーセントより少し高いことに注目したい。

この結果はアメリカもよく似ており、主に父親とするのと、父母が共同でするがほぼ拮抗していて40パーセント強である。フランスとスウェーデンでは父母が共同というのが第1位であるが、フランスは主に父親というのも31.5パーセントとやや高い。

日本がいちばん性別役割分担意識が強い

食事の世話に代表される家事・育児と、所得の稼ぎに代表される勤労の両面から男女の役割分担を国ごとに順序付けしてみよう。分担意識の強い国から弱い国の順に並べると、日本→韓国→タイ→アメリカ→フランス→スウェーデンの順になろうか。すなわち、日本がいちばん、性別役割分担意識の強い国となる。

ただし、子どものしつけに関しては、父母の両方でやるというのが50パーセント近くに達しているので、性別役割分担意識の強い日本とて、子育てのすべてから父親が遠ざかっているのではない。しかし、しつけも主に母親が43・4パーセントになっているので、日本では父親が子育てからかなり逃げていると言われても仕方ないだろう。

さらに別のデータ(図参照)からも、日本人の子育てと家事に関して父親がどれだけ関与しているかを国際比較してみよう。この図によると、やはり日本の父親はどの国よりも子育て・家事に関与していない。夫の家事・家族ケア分担率が50パーセント以上は13.8パーセントにすぎず、どの国よりもかなり低いのである。先ほどの図と同じように、フランスとスウェーデンが36パーセント台と非常に高いことにも注目したい。

夫の家事・家族ケア分担率(50%以上)の分布 (出所)舞田敏彦「データえっせい 夫の家事・家族ケア分担率の国際比較」(https://tmaita77.blogspot.com/2015/10/blog-post_22.html、2015年10月22日付) 原資料:http://www.issp.org/

【2020年10月6日12時00分追記】初出時、「夫の家事・家族ケア分担率(50%以上)の分布」の図表につきまして、出典表記に誤りがありましたので上記のとおり訂正するとともに、関係者の皆さまにお詫び申し上げます。

ここには挙げていないが、日本は、家事・家族ケア分担率が10パーセント未満(つまり、ほとんどしないということ)の夫が20パーセント近くに達しており、これは他の諸国ではゼロに近い。重要なことは、この調査は共働きしている夫婦が標本なので、本来ならば父親も子育てにかなりコミットせねばならない立場にいる、ということである。子育て・家事をほとんどしない夫が、共働き夫婦にかなりいるのだから、妻がどれほど苦労しているかが想像できよう。

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