新型「レヴォーグ」のデザインは何が斬新なのか ディテールを分析して見えた形と機能の進化

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個人的に好感を抱いたのは、マップモードだ。左右がブラックアウトされ、そこに速度計など重要な情報を絞り込んで表示するので、安心してドライブできる。一部の輸入車のように、表示が多すぎてどれが速度計か戸惑うことはなない。視界の確保にも通じる安全第一の思想が伝わってきた。

マップモードで表示したメーター(写真:SUBARU)

インテリアカラーは、最上級グレードとなる「STI Sport」がボルドー基調、標準車はブラック基調で従来と同じだ。ただしSTI Sportはボルドーの面積が減り、色調が落ち着いた。インパネなどにステッチを入れたことを含め、上質感が高まっている。標準車も、グレードによってステッチをブルーとシルバーで使い分けるなど、こだわりが伝わってくる。

ホイールベースの延長で足元のゆとりが増した後席は、旧型のマイナーチェンジで導入した4:2:4の3分割を継承。荷室は奥行こそ1070mmのままだが、タイヤハウス間の幅は20mmアップして1100mmとなった。

印象に残ったのは、床下収納スペースが格段に広くなったことで、数字のうえでも40リットルから69リットルへと倍近くに増えている。その結果、トータルでの容積は561リットルと、旧型と比べて39リットル拡大した。

スバルらしい技術の進化も

新型レヴォーグは、定評の運転支援システム「アイサイト」がセンサーの追加でより広範囲での衝突回避をサポートするとともに、3D高精度地図データを採用することで、高速道路のコーナー手前や料金所前での速度制御、時速50km以下の渋滞時でのハンズオフアシストなどを実現した「アイサイトX」を一部車種に搭載した。

「インプレッサ」や「フォレスター」などに採用している新世代プラットフォーム「SGP」の導入により快適性能が向上し、リニアなハンドリングを味わえるようになったことも、新型レヴォーグのアピールポイントと言える。

スバルの新型車はこうした技術面に注目が集まりがちだが、新型レヴォーグについてはデザイン、特に大きな縦長ディスプレイを据えたインテリアも話題になりそうだ。

森口 将之 モビリティジャーナリスト

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もりぐち まさゆき / Masayuki Moriguchi

1962年生まれ。モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。著書に『富山から拡がる交通革命』(交通新聞社新書)。

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