初代「レヴォーグ」6年間の総括で見えた功績 不満に応えた「日本専用車」は成功と言えるのか
2020年8月20日にスバルの新型「レヴォーグ」の先行予約が始まった。発売は10月15日だが受注は好調で、すでに納車は年明けになるという。これだけ注目度の高い新型レヴォーグだが、現行(初代)レヴォーグはどんな成果を残したのだろうか。新型レヴォーグ発売を前に、初代モデルを総括してみよう。
レヴォーグという名前をわれわれが初めて耳にしたのは、2013年の東京モーターショーのときであった。
「LEVORG(レヴォーグ)の名称には、『LEGACY:大いなる伝承』『REVOLUTION:変革』『TOURINGの新しい時代を切り拓く』という言葉を組み合わせ、『"スバルの大いなる伝承"を引き継ぎながらも、次世代に先駆けた変革により、新たなツーリングカーの時代を切り拓く』という意味を込めました」
こんなコメントとともに、スバルからほぼ生産モデルのままのプロトタイプがショーに出品されたのだ。しかも、「2014年春に販売を予定」ともアナウンスされた。これには当時、取材していた筆者は本当に驚いた。まったくの予想外の登場だったのだ。
BRZの影で目立たなかったコンセプトモデル
しかし、振り返ってみれば、レヴォーグの登場は、その2年も前にすでにほのめかされていた。2011年の東京モーターショーには、革新スポーツツアラーをテーマとした「SUBARU ADVANCED TOURER CONCEPT」が出品されていたのだ。
このコンセプトカーは1.6リッター水平対向エンジンを搭載するCセグメントのワゴン。つまり、2年後に登場するレヴォーグそのままの内容であった。ところが、2011年当時は、そのコンセプトカーがすぐに実用化されるとは、考えもしなかったのだ。
その理由は2つある。1つは、その隣で世界初公開となった「BRZ」(トヨタ「86」の兄弟モデル)の量産プロトタイプに目を奪われてしまったからだ。ほぼ量産モデルであるBRZの横に置かれたコンセプトカーは張りぼて感いっぱいで、実用車になるのはまだまだ先と思ってしまったのだ。
そして、もう1つは「レガシィ ツーリングワゴン」という名前の大きさだ。スポーティな走りで1990年代に大人気となったレガシィ ツーリングワゴンという名称は、スバルの代名詞的な存在であった。まさか、その大看板を使わなくなるとは考えられなかったのだ。
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