初代「レヴォーグ」6年間の総括で見えた功績 不満に応えた「日本専用車」は成功と言えるのか

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一方でその当時、2010年初頭のスバルファンは、非常に不満がたまっていた。なぜなら、2008年にスバルは19年間戦っていたWRC(世界ラリー選手権)からのワークス撤退を発表していたし、レガシィはアメリカ向けにどんどんと大型化して、スポーティ度を薄めていた。

2009年に発売された5代目レガシィ(写真:SUBARU)

そのため「レガシィを日本市場向けに小さくしてくれ」という声ばかりが聞こえていたのだ。つまり、「レガシィ ツーリングワゴンがなくなることはありえない」「できればアメリカで販売するクルマを別のクルマにして、日本にはもっと小さなレガシィ ツーリングワゴンを投入してほしい」との考えがあったのだ。

そんな中、2013年にレヴォーグが、「1990年代に輝いたスポーティなレガシィ ツーリングワゴンの後継モデル」として登場した。当時のレガシィはアメリカ市場でのドル箱モデルになっており、路線変更は不可能。だから、レガシィはアメリカ向けとし、一方で日本のファンのためには、専用モデルとしてレヴォーグという新たなモデルが用意された。

つまり、「レガシィ」という名称はアメリカのモノとなったが、“かつての古きよき、小さなレガシィ ツーリングワゴン”と同じ内容のクルマが、別名で登場したのだ。これは、文字どおり、日本のレガシィ・ファンへのプレゼントとなった。

インプレッサを超える販売台数を記録

そのプレゼント=レヴォーグは、大いに話題を集め、そして人気モデルとなる。なんと発売された2014年度は、年間で4万1571台も売れた。トヨタであれば大したことない数字かもしれないが、スバルとしては最量販モデルである「インプレッサ」の4万731台(2014年度)よりも多く売れたのだ。まさに大ヒットと言える。

また、レヴォーグの売れ行きは年々減ってゆくが、それでも減少幅は小さく抑えることに成功した。2015~2017年にかけては毎年、前年比80~90%台で推移しており、モデル末期である2019年も年間1万2718台が売れている。

スバルは毎年のように改良を実施しており、そのたびに月販目標を3200台/月から2600台/月、2000台/月、1800台/月、1200台/月と市況に合わせて数字を下方調整しつつも、おおむね目標をクリアしている。そして、発売6年で13万5000台を超える販売を実現した。

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