新型「レヴォーグ」のデザインは何が斬新なのか ディテールを分析して見えた形と機能の進化

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新型の全長は4755mmで、旧型と比べ65mm伸びている。ホイールベースは20mm長くなって2670mmとなった。5ナンバー枠を超えた全長は、室内空間拡大とともに立体感のあるフロントマスクを実現するためでもあったという。

スバルでは、現行インプレッサ以来「DYNAMIC×SOLID」というデザインフィロソフィーを採用してきたが、新型レヴォーグではこれを深化させた新デザインコンセプト「BOLDER」を導入した。

新旧レヴォーグを並べてみた。手前のブルーの車が新型、奥の白い方が旧型(筆者撮影)

それぞれの車種が持つ価値を大胆に際立たせる方向性は、東京モーターショーでプロトタイプ公開時に説明があったとおり。スポーティーなレヴォーグには精悍なイメージを込めたとのことで、パッと見てスバル車らしいだけでなく、レヴォーグだとわかる表情を目指したそうだ。

スバルのターボ車の特徴でもある、エンジンフードのエアインテークは残された。スバルは機能を大事にするブランドであり、水平対向エンジンの上に配置したインタークーラーの冷却には必然という説明だった。とはいえ、賛否両論があったことは知っており、フード両側を持ち上げることで、開口部が目立たないように仕上げたという。

細かい部分に見える試行錯誤の跡

ボディサイドは、ウェッジシェイプが目立つ。前後のフェンダーやドアのキャラクターラインだけでなく、サイドウインドー後端の跳ね上がりも強くなり、フェンダー内のホイールアーチまで前傾姿勢を反映すべく、前下がりの台形としている。このあたりもVIZIVツアラーコンセプトと共通する処理で、BOLDERという言葉に込めた個々の車種の明確化の一環である。

ウェッジシェイプが強調されるサイドビュー(写真:SUBARU)

ただし、コンセプトカーと比べると、フェンダーの張り出しは明らかに控えめだ。これは全幅を15mm拡大しつつ、1.8m未満の1795mmに収めたためで、ドアミラー先端での寸法は旧型と同一だという。日本専用車種として生まれたレヴォーグらしいこだわりだ。

もうひとつ気づいたのは、旧型はリアドアで終わっていたサイドウインドーのシルバーモールが、後端まで伸びたこと。こちらも賛否両論があったそうで、新型では伸ばすことにしたが、回り込ませて上まで伸ばすとリアが持ち上がっているように見えるため、この位置で留めたとのこと。細かい部分にまで試行錯誤があったようだ。

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