「SFのような世界」を日常にする最先端生命科学 コロナ禍を見通した科学者が描く「人類の未来」

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「老いなき世界」を社会はどう迎え、ビジネスはどうシフトし、私たちはどう生きるべきか(写真: Graphs/PIXTA)  
人生100年時代とも言われるように、人類はかつてないほど長生きするようになった。しかし、私たちはよりよく生きるようになったと言えるのだろうか?
もし、いくつになっても若い体や心のままで生きることが可能となったとき、社会、ビジネス、あなたの人生はどう変わるのだろうか?
待望の日本語版が刊行された『LIFESPAN(ライフスパン): 老いなき世界』で、老化研究の第一人者であるデビッド・A・シンクレア氏(ハーバード大学医学大学院遺伝学教授)は、人類が「老いない身体」を手に入れる未来がすぐそこに迫っていることを示す。
全米ベストセラーで世界20カ国で刊行されている本書の魅力を、経営共創基盤の塩野誠氏に語ってもらった。

サザエさんの磯野波平は時代錯誤か?

サザエさんの磯野波平氏は54歳、ハリウッド俳優のトム・クルーズ氏は58歳(2020年時点)。波平氏よりトム・クルーズ氏のほうが年上である。

『LIFESPAN(ライフスパン):老いなき世界』特設サイトはこちら(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

トム・クルーズ氏は筋肉隆々、顔にしわもなく、黒髪がふさふさしている。一方、わが国の有名なお父さんである波平氏は、「年相応」と言うべきなのだろうか、頭髪も少なく、いかにも老人の域に入りかけた男性といった雰囲気だ。

近年、私たちが思い描く50代の男性像は、波平氏よりもトム・クルーズ氏のような若々しい姿が一般的となりつつある。私たちが以前よりも歳を重ねても若々しさを保つようになり、寿命も延びつつあるということに、多くの方々が同意されるものと思う。

私が『ライフ・シフト』の書評を書いた2016年は、世の中では「100年人生」や「100歳まで生きる準備をする」という話題がちまたにあふれた。

ここで紹介する『LIFESPAN(ライフスパン)』は、人間は本当に100歳まで生きられるかもしれない、しかも若いままでという、古今東西の人間が追い求めてきた「若返りの泉」の正体について、最先端の生命科学による知見をもとに解き明かす本である。

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