成田空港は閑散としている。ほとんどの便が欠航していて、構内の照明も落とされている。見渡すと日本人よりも外国人の姿が目立つ。チェックインカウンターではイタリア入国時に提出する書類の持参に関しての確認があり、機内においてもマスク着用が義務づけられている旨の説明があった。
とくにエールフランス・KLMではサージカル・マスクの着用が義務づけられ、布製などは不可だ。さらに4時間ごとの交換が推奨されるとかなり厳密だ。筆者も布マスク着用を注意されてしまった。最後に体温測定を行い、ほとんど無人の出国カウンターへと向かった。
機内も同様に空席が多く、空港内と同様に、日本人とみられる人々は少数派だ。まだ、あまり前例がない特例を使い果たして無事入国できるか不安でもあるが、とにかく機上ではゆっくりと休む。
今回、乗り継ぎのアムステルダム空港では通常どおりEUへの入国審査が行われ、続いてイタリアへの乗り継ぎ便専用の検疫コーナーへと案内される。最終目的地などを記載する書類に記入し、しばし待機。どんな検査が待っているのか? ところが単純に体温測定をされただけであった。担当係員は書類に空港検査のスタンプを押してくれ、放免となった。
ちなみに空港内においてはほとんどすべての人々がマスクを着用しており、他者との距離を1 メートル以上保つようにという表示がさまざまなところに出ている。中には物々しい防護服を纏った人々も見受けられた。しかし、いつもよりかなり少ないが、ここアムステルダム空港は成田とは違って日常の活気があった。
今までとは違ったイタリアの風景
イタリアの空港へと着陸すると、今までとは違った物々しさを実感する。いたる所に人同士の間隔をとるようにという赤と緑の表示があふれているのだ。地面にも同様に矢印表示が貼られ、通行する者同士がぶつかり合わないような警告に満ちている。確かにイタリア人は列になって整然と行動するというような行動パターンには慣れていないから、丁寧にガイドすべしという方法論は正しい。
アムステルダム発の便の搭乗者はすでにEU圏内に入っているから(注:オランダもイタリアもシェンゲン協定加盟国であり通行の自由がある)、通常なら特別な入国審査は行われないが、通路の脇にある机に係員がおり、隔離などに該当すると思われる人々に声をかけている。
しかし、そんなことは目視でわかるわけはない。それは自主申告に任せるということであろうか……。とにかく、私は“日本からのイタリア入国です”と、日本から記入してきたイタリア入国書類を提出し、係員へ自己申告した。何かひっかかって入国拒否でもされたら、たまったものではない。短期滞在の目的など、詳細を聞かれるのかと構えていたのだが、書類を見せるだけでOKであった。拍子抜けだが、無事入国がかなった。
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