一部のネット銀行は、普段使っていないデバイスからログインしたときもメールが来る。どこまで通知してくれるかは銀行によって異なり、通知サービス自体がない銀行もあるが、その場合は銀行のスマホアプリや家計簿ソフトを利用して、定期的に確認する方法を取ろう。セキュリティーを重視するなら、メール通知サービスがある銀行を利用するほうが安心だ。とくに自分のメインバンクがどこまでお知らせをしてくれるか、改めて確認しておくといい。
ネット上での手続きで、自分の口座から振り込み・送金できる金額の上限を設けることができる。銀行によって異なるが、1回ずつの限度額、1日当たりの限度額というように上限を決めておけば、それを超えた送金はできない。あまり振り込む機会がない人なら、1回に送れる額を数万円まで下げておいてもいいのではないか。
また、ATMからの引き出し金額の上限は通常50万円だが、それをもっと少なくすることもできる。万が一キャッシュカードをだまし取られても被害を抑えることにつながるだろう。
最近のキャッシュカードはデビット一体型カードも多いが、デビット支払いの利用金額についても、1回当たり、1日当たり、ひと月当たりで上限設定できる銀行は多い。個人の家計管理レベルなら、数十万円を一度に引き出したり支払ったりという機会はそれほどないのでは。振り込みも出金も、必要以上に高額の設定になっているようなら今のうちに変更しておこう。
すぐには引き出せない定期預金にスイッチする方法も
給与振り込み口座にうなるほどお金があるという人は少ないかもしれないが、聞いてみると「給与口座に全部入れっぱなし」という人も結構いる。住宅ローンやカード利用料、公共料金の引き落としなどのために一定額を残しておく必要はあるが、なんとなくお金はそのまま……というのでは、もし不正引き出しのターゲットにされたら泣くに泣けない。
そこで、すぐには引き出されない定期預金にスイッチしておくのも方法だろう。例えば、1カ月や3カ月といった満期が短い定期を月をずらして数本作り、自動継続にしておく。お金が必要なときには満期が来たものを解約すればよく、普通預金感覚で利用できる。もちろん、その金額をコツコツと積み立て投資に回すのも悪くない。証券口座にあるお金は、預金以上に簡単には引き出せないからだ……と思ったら、なんと9月16日にSBI証券で証券口座からの不正流出事件が起きてしまった。なんて世の中だろう。
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