同床異夢の郵政改革、与党内で議論が錯綜
9日、東京港区の赤坂郵便局に国民新党の議員らが勢ぞろいした。同党の党首でもある亀井静香郵政改革担当相は「日本郵政の非正規社員の正社員化」を提唱している。その一環として、非正規社員との意見交換の場を設けた。連立与党の中でも、この動きは際立った。
政府は8日、与党郵政改革関係政策会議に日本郵政の組織形態を「3社体制」とする素案を提示。昨年10月に閣議決定した基本方針からようやく骨格の一部が明らかにされた格好だ。しかし、連立与党内で調整がつかず、決着が先送りされた部分は少なくない。
政府出資率は明示せず
素案の「3社体制」とは、現行の持ち株会社である日本郵政へ郵便事業会社、郵便局会社を統合し、その下に銀行会社(郵貯事業)、保険会社(簡易保険事業)がぶら下がるというもの。
全国均一のサービスを提供するユニバーサルサービス義務は親会社(事業持ち株会社)に課される。そして、小規模郵便局への金融事業に関する金融検査・監督は、「実情に即した対応」として簡素化。原則、銀行会社や保険会社は銀行法、保険業法の規制・監督下に置かれる。
提示内容はこの程度だ。親会社に加わる郵便局会社と郵便事業会社は、現行法で新規事業に関する法的枠組みが大きく違うにもかかわらず、善後策は明示されなかった。
また8日の政策会議で、銀行会社と保険会社は「業法の対象となる」との内容を大塚耕平内閣府副大臣(民主党)が説明した。ところが、長谷川憲正総務大臣政務官(国民新党)は「一般の業法とは別立ての特別法の下に置くべきである」と補足意見を表明。金融2社の法的枠組みでは見解の相違が浮き彫りになった。