同床異夢の郵政改革、与党内で議論が錯綜 

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 そもそも、連立与党内で小泉郵政改革を見直すという点では一致している。だが、民主党が日本郵政の民営化を基本的な政策とする一方、国民新党には「公的」な組織に再構築するという発想が根強い。

素案で政府の出資比率が明示されなかったのも、「民営化=株式売却」となる民主党と、「公的組織=政府による株式の過半保有」となる国民新党などとの間で、依然、調整が必要だったからだ。

現に、国民新党と社民党が交わした「郵政見直しに関する基本合意」(2月2日)には、「親会社及び子会社の株式は、それぞれ51%を、政府又は親会社保有とする」と規定。日本郵政を「公的組織」とする考え方が色濃く反映されている。

見えにくい将来像

金融2社の法的枠組みと出資比率のあり方は、日本郵政グループの収益力さらには国の関与(国の経費負担)という問題につながる。

一般的に特別法の場合、業法よりも業務範囲が制限される。また政府保有株の売却が制限されると、日本郵政に発生するシステム投資などの資金需要を満たす手段が狭まり、国による日本郵政への資金的な関与を助長する可能性がある。

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