日立2期連続の営業最高益へ 市場予想の営業利益予想6046億円下回る

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 5月12日、日立製作所は、2015年3月期の連結営業利益が前年比5.1%増の5600億円になる見通しだと発表した。写真は同社のロゴ。2012年12月撮影(2014年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 12日 ロイター] - 日立製作所 <6501.T>は12日、2015年3月期の連結営業利益が前年比5.1%増の5600億円になる見通しだと発表した。ストレージ(外部記憶装置)などの情報・通信システム部門や昇降機などの社会・産業システム部門が利益を押し上げ、2期連続の最高益を見込んでいる。

ただ、会社予想はロイターのスターマイン調査がまとめたアナリスト20人の予測平均6046億円を下回っている。

会見した東原敏昭社長は「5600億円はコンサバ(保守的)との意見も聞くが、リスクとして大きく2つ、地政学的なものと消費税増税の反動がまだ見極められていない」と語った。

部門別の営業利益は、情報・通信インフラが前年比28%増の1360億円、社会・産業システムが同52%増の900億円を計画。一方、電力システムは火力発電システムを三菱重工業<7011.T>と統合した影響で同70%減の50億円と大幅減を見込んでいる。

全体の売上高は火力発電システム事業を持分法適用会社化した影響で前年比2.2%減の9兆4000億円と減収を計画。最終利益はこの統合による評価益がはげ落ちることから、同13.2%減の2300億円を予想している。

2014年3月期の営業利益は前年比26.3%増の5328億円となり、1991年3月期の5064億円を上回り、23年ぶりに過去最高を更新した。電子装置・システムや高機能材料、建設機械が好調だった。

売り上げ目標に自信

この日は中期経営計画の進ちょく状況に関する説明も併せて行った。東原社長は「情報とインフラで10兆円に向け売り上げを伸ばすことに手ごたえを感じている」と指摘。「インフラと情報の融合ソリューションがあちこちで出始めている。情報とインフラはPRしやすく、拡販していけば10兆円の手ごたえはある」と目標の達成に自信を示した。

同社は2015年度に売上高10兆円、営業利益率7%超、最終利益3500億円超を目指している。

上場子会社の本体への取り込みに関しては「ITとのシナジーがどこまで出るか、グループ内に取り込んだ方が効果が出るものについては考えるが、いまの上場会社については15年度まではあまり考えていない」と語った。

 

(志田義寧 編集:伊賀大記)

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