だから、子どもの勉強についても、どこかで、「まぁやるときにやればいいさ」と考えがちで、「それより、外でいっぱい遊んでほしいなぁ」と野生児信仰さえある。ところが30代以下では、小学・中学受験したという経験者が一気に増え、その成功体験を耳にする機会も増えるように思います。
「いい友人と出会える」「大学受験に振り回されなくて、青春が謳歌できた」とか。そうなると、野生児派もさすがにドキドキしてくる。私の住んでいる地区が教育熱心なエリアだというのはありますが、4年生くらいから学習塾に通う子が過半を占めるようになり、まずい!とばかりに野生児派も子どもを塾に通わせ始めます。
だんだん、親の問題でもなくなってくる
一方で、小学校の世界に入ったら、親がついていてあげたからできたというのは、だんだんと少なくなってくるんです。ママが外でバリバリ働いていても、作文コンクールに入賞したり、塾のテストで全国上位者に名を連ねたり、そういう子がいっぱい出てきます。専業ママの子の中にだって、宿題をやってこない子だっていっぱいいる。もう親の問題だけでなくて、「その子らしさ」になってくるのです。
まぁ、「ママと一緒に宿題やりましょう」なんて言ってみたところで、高学年になったら、「いい、ひとりでやる」「友達とやってくる」になっちゃうんですから、ママの影響力は必然的に減ってくるのでしょう。
また、見方を変えれば、ママに稼ぎがある分、子どもが「やってみたい」ということがあったときは、経済的なことでガマンさせずに、思い切ってやらせてみてあげられる部分もあるじゃないですか。私の周りにも保育園時代から「お受験塾」ではないけれど、複数の習い事に通わせている家庭は多くありました。
ただし平日は手が回らないので、休日のレッスンを探したり、グループで出張レッスンを入れてママ同士で交代で送迎したり、送迎にシッターさんをお願いしたり工夫して、託児サービスとして活用していた側面もあります。いろいろやらせてみて、こどもの続けたいもの、得意なものを見つければいい、といったゆるさではあるけれど、選択肢を与えていることには変わりない。
小学生の通塾率が高いのも、みんなが受験をするわけではなく、「もし、受験したくなったら挑戦できる」という選択肢を与えるにすぎない面もあるのだと思います。こどもは小学校中学年以降はもう、自分で選択したことだからこそ結果を出したい、と思うようになるのかもしれません。親はそれを見守ることしかできないのかも。だとすれば、働いていても充分にサポートはできるはずです。
子どもは「ママが悪い」とは思っていない
子どもは自分ができないことがあっても、ママが働いているせいになんか、不思議とまったくしないのですよね。それよりも、「うちのママはこんなお仕事している」と自慢しあっていることのほうが多いと思います。うちの娘が5歳くらいのとき、「ママ、部長と船長ってどっちがエライの?」と聞かれて笑ったことがあります。「若い」とか「美人」とかではなく、「仕事」が自慢の対象になってきているなんて、うれしいじゃありませんか。
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